Golden Time

時はお金で買えませんが、時間はお金で買えちゃいます。

【虎に翼】(27)崔香淑の深謀遠慮


卒業式で満面笑顔の前半と特高が乗り込んで渋い顔になる後半の落差よ。

特高が涼子様に華族だからと特別扱いは無いと絡むのだが、戦争が終わればどちらもなくなるという点では共通している。

いきなり穂高先生の語り?授業?からスタート

長年にわたって染みついたものを変えるというのは容易ではない。当たり前だと思っていた法律が、習慣、価値観が、間違っていると分かっていても、受け入れられない変えられないのが人間だ。それでもそれを、我々は引き剥がし、溶かし、少しずつでも新しく上塗りしていくしかない。

コレを前半に置いておきながら、後半に朝鮮人だから合格するわけがないと来るのよ。

1938年3月の卒業にあたっての最後の講義だったか

君らが背負うものは重いかもしれない。だが君らはその重みに耐えうる若者だと、世の中を変える若者だと私は知っている。卒業おめでとう

つまり次回の試験はあと2ヶ月程度に迫っているのね。

寅子、雲野法律事務所の世話になると

共和事件で穂高先生の横にいた弁護士ね。

じゃあ、とりあえずお茶いれて

ナレーション"仲間たちとは卒業後も勉強会を開き集まっています"

いや、ナレーションは別に良いのだけれど、涼子お付きの玉が、『アンクル・トムの小屋』を英語で読んでるぞ!

崔さんは竹もとに住み込みで働き始めました

おお…何とも言えない展開。と思ったのだが、崔香淑が竹もとで働いたのには理由があったのね。他ではダメなのよ。

雲野法律事務所で働きながら学ぶという寅子。初日はともかく、寅子、事務所に慣れたら色々動き始めるだろうな。引っ掻き回すことになるか、いきなり即戦力になるか…ドラマだし、主人公だしで前者だろうなとは思う。

花岡とランチデート

よかった。今日は会えた

寅子を呼んで花岡はこんなこと言ってるし、寅子もニコニコで駆け寄ってる。主観的にも客観的にも完全に付き合ってる状態か。で、一緒にお弁当食べている。

"花岡さんはお父様のような弁護士になりたいんだもんね"

これに花岡は微妙な顔している。花岡の父は10年裁判官を務めた後、弁護士になったと。花岡もその道を歩んでいるのでは無いかと無邪気に寅子は思ったのだろうな。しかしここに花岡の影があるということね。

花岡、桂場の下に付いたか

なかなか良い展開なんだけど…逆ににだから花岡と桂場はすれ違っている感じの演出だったのかな。

玉…覚醒?

ナレーション"仲間たちとは卒業後も勉強会を開き集まっています" いや、これは別に良いのだけれど、涼子お付きの玉が、受験勉強する満面の横で『アンクル・トムの小屋』を英語で読んでるぞ! これ、絶対戦後のの布石と確信。

日本に併合された朝鮮人の香淑にとっての日本の法律と、米国により占領された日本人のたまにとっての米国で使われる英語。対比的。

竹もとに特高来た!

来ちゃったか。

文芸誌の編集というだけでヤバい感じはする

香淑の兄は同じ出版社に勤めていた人との関係で特高から思想犯として疑われているのか。同じ出版社に勤めていたって…編集長か。編集長が疑われて拘束されているようで、それは流石にやばいな。

"勉強の邪魔になりたくなくて"

みんなの試験を見届けて、それから国に帰るつもりでした

そしてここで、寅子は、

勉強を続けていたのは…と寅子は口を挟む。

みんなとこれからの女子部の学生たちのためです

自分は高等試験を受けないということ。このやりとり特高に目をつけられたから合格するわけがないと寅子も理解していると言うことか。そしてよねが、

今しかないぞ。朝鮮に帰るなら今しかない

と言うのも同じく香淑が合格は無理とわかっていると。ものすごい緊迫感。

逆にだからこそ香淑は皆が勉強に集まる竹もとで働き、毎回何かしら判例等を持ち出して皆の法律の理解を深めるために議論をしようとしていたのか。そして前回の女子部がなくなるかもという危機についても先頭に立って立って抗議していたのか。

香淑にだれも一緒に受験しようとは言わず帰国するべきと考えていることの怖さ

意思を持って何年も勉強し、もう試験まであと3ヶ月切っていると思われるのに。

特高の怖さをこのようなシチュエーションで表現しているということか。

寅子の抱える悩み

よね、香淑、梅子、涼子の抱えているものは生きている限りずっと心にのしかかる悩み。しかし寅子が受けたのは父の冤罪で、これは無罪判決で晴れてしまった。 周囲は悩みを抱えて飽きているのに、主人公は悩みなし…って、ことは恐らくなくて、トラウマというか一生引きずる苦しみをこれから抱えることになるのだろうなぁ。『虎に翼』はドラマなのだから。