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【北斗の拳】第9巻 ユダとは誰か


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第9巻 第2話 暴虐! 狗法眼!! の巻

バットは純真だなという話

リンがなぜかバットに次の問いをする。
「どうして…なぜこんなに傷つかねば…こんなに血を流さなければいけないの!!」
これに対しバットが答える。
「しかたないんだ あの血はおれたちの血…おれたちのかわりに血を流しているんだ」
「お…おれだって……」「もっと強かったら…」「力があったら!!」

どうもおかしい。
リンは「レイ対ラオウ」「トキ対ラオウ」「ケンシロウ対ラオウ」のことを言っている。
これは、レイ戦いはともかく、単なる「兄弟喧嘩」以外の何ものでもない。レイのものにしても、レイの自業自得的なものであり、レイのことを擁護しづらい。
彼らは、リンやバットのかわりでも一般民衆を代表して闘っているわけでもない。
兄弟の確執やしがらみから闘っているだけだ。

このバットの思想の怪しさに気づいたのはマミヤだ。
バットの「力があったら!!」のセリフの後のコマで、「何言ってるんだこの小僧は」という顔をしている。
マミヤ、さすが村のリーダーだ。ものがわかっている。

ケンシロウは死兆星を知っていたのか

トキに「マミヤ…かの女も また 死兆星をみている」と言われてケンシロウは「なに!!」と言っている。
第8巻の「見えざる魔拳! の巻」においてラオウに「きさまは北斗名七星のわきに輝く蒼星をみたことがあるか!?」と聞かれて「ない!!それがどうした…」と断言している。これは、普通に読めば、死兆星についてケンシロウはつい最近まで知らなかったことを表す。ラオウ、トキは知っていたのに。これはどういうことなんだろう。北斗神拳伝承者として勉強不足ではないのか。それともラオウ、トキは血族だからこの死兆星にまつわる言い伝えはラオウ、トキ間でしか通用しない北斗神拳とは無関係の言い伝えかもしれない。よくわからない。
ケンシロウを弁護するぎりぎりの解釈では、「ない!!それがどうした…」は、死兆星の意味を知っている上での挑発とも取れるが…。つまり「(そんなもの、負けるわけが無いこのおれに見えるわけが)ない!!それがどうした(負ける予定のお前にはみえるのだろう?)…」という挑発と解釈するのであるが……。
それだったらラオウも「北斗七星のわきに輝く蒼星」なんてまどろっこしいこと言わずに「死兆星」って言えよ。
もしくはこうも考えられる。ケンシロウの「なに!!」は本当は「なに?」で、「死兆星ってなあに?」と言っているという解釈だ。
ラオウに言われてずっと気になっていた「死兆星」についてトキも知っていたので、聞くは一時の恥とばかり教えを乞うているのだ。
本当はこっちかも。
大丈夫かケンシロウ。

第9巻 第4話 凶悪なる紋章!の巻

この巻でマミヤの肩に入れられたユダの紋章をレイが見てしまう。
それでレイは動揺するのだが、ちょっと待て。
レイとマミヤが初めて出会った第4巻「ふたつの凶星! の巻」で既にレイはマミヤの裸を見ているではないか。
そのとき気づいて良いのではないのか。他ならぬ修行時代からの知りあいであったはずのユダの紋章なのだから。
あれっと思っても良いはずである。まあ、その時はレイは別にマミヤに気があったわけではないから、見ても全く気にならなかったのかもしれないが。
しかし絵を見る限り結構大きな紋章だから気づいてもよさそうだけどね。

うーん、第9巻はユダのための巻なのに、ユダのことほぼ書いてないわ。強さにこだわるジャギやアミバと比べて、美にこだわるユダはあまり好きではないんだよね。