「エースをねらえ!」は全18巻である。それぞれの表紙に描かれた人について考えてみる。
各巻で描かれた人
巻数 | 描か |
---|---|
1 | ひろみ、ひろみ |
2 | お蝶夫人、ひろみ |
3 | 宗方コーチ、ひろみ |
4 | 藤堂、ひろみ |
5 | ひろみ、ひろみ、 |
6 | 宗方コーチ、藤堂、ひろみ |
7 | 藤堂、ひろみ |
8 | 宗方コーチ、ひろみ |
9 | お蝶夫人、ジャッキー、ひろみ |
10 | ひろみ、藤堂、宗方コーチ(三つ巴) |
11 | 宗方コーチ、ひろみ |
12 | ひろみ |
13 | 藤堂、ひろみ |
14 | ひろみ、藤堂、ひろみ |
15 | ひろみ |
16 | ひろみ |
17 | ひろみ、藤堂 |
18 | ひろみとゴエモン(?) |
ひろみは主人公だから皆勤賞であったり1つの表紙に2カット入っているのは良いとして、藤堂7回、宗方コーチ5回、お蝶夫人が2回、ジャッキー・ビントとゴエモン(?)が1回ずつ。見事な偏り。というか、このメンツを見ると、ジャッキー・ビントが食い込んでいるのが奇跡のようだ。まあ、よく考えれば、ひろみのダブルスの相手なので、ひろみにとって重要人物ではある。しかし、物語の上では、他にも重要人物はたくさんいるのに…例えば、桂コーチ。
桂コーチが表紙にいないこと
桂コーチは、少なくとも11巻以降、つまり第2部では、宗方コーチのポジション、つまり「エースをねらえ!」での準主役ではるはずである。その桂コーチが表紙を一度も飾れていない…何故なんだろ。まあ、坊主設定なので、髪を伸ばしても短髪であるし、ルックスに華やかさはないからなぁ。表紙次第で売り上げも変わるだろうし。まあ、物語中でも、宗方コーチの夢の総仕上げ役で、その意味で宗方コーチよりインパクト弱いし、もともと宗方コーチに負い目を感じているという設定の桂コーチだから…そういう諸々が重なって、表紙を飾ることができなかったのだろうか。
表紙に登場する人とタイミング
登場する人は、それぞれ、その巻における重要人物である。また、その視線、表情にも意味がある。このあたりは、まあ、連載マンガならば普通のこと。ただ、結果的に、ひろみ・宗方コーチ・藤堂の限られた3人しか重要でなかったというだけである。しかし、お蝶夫人さえ入り込めないというのは意外である。
第1部と第2部
第1部は10巻の内、藤堂4回、宗方コーチ4回、お蝶夫人2回、ジャッキー1回である。
第2部は8巻の内、藤堂3回、宗方コーチ1回、ゴエモン(?)1回である。
これも傾向があり、藤堂は偏りなく登場しているものの、宗方コーチは、第1部のつなぎ的に登場するも、それ以外は最終第18巻のゴエモン(?)まで誰も出ない。
表紙は依存を表しているのか?
表紙にひろみとともに描かれる人物は、その時点で、ひろみが精神的に何らかの影響を受けている人物、特に依存している人物なのではないだろうか。そして、テニスラケットを持ったひろみが、ゴエモン(?)と2人で写っている最終巻こそ、ひろみが誰かの依存から脱し、1人で立ったことを表しているのではないだろうか。