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【秒速5センチメートル】上質のサスペンスである第一話


「秒速5センチメートル」の第一話は、上質のサスペンスアニメである。

サスペンスドラマとは

サスペンスドラマとは、観る者をハラハラさせるような不安定な状態に置くドラマである。普通は殺人犯が誰だかわからない密室ものや、理屈が通らない理不尽な相手に追われる等の人間もしくは生き物により不安定な状態に置かれるものが多い。

自然と時間のサスペンス

しかし、この映画は、人間どころか生物をも相手にはしない。天候という自然と時間が相手のサスペンスである。

結論は基本二択というシンプルさ

この第一話が優れているのは、結論は、貴樹が明里に会えるか会えないかな二択しかないこと。これは誰が観ても分かる。そして、時間の経過とともに、たどり着けるのか、たどり着けたとして、明里は待っていてくれるのかと言うことが、物語が進むにつれ気になってくる。しかし、結末がどちらになるかは第一話ラストにならなければ分からない状態に置かれる。これをサスペンスと言わずして何をサスペンスと言うのか。

日常の中のサスペンス

このストーリーは、さらに、主人公貴樹と明里、観客は、不安定なサスペンス状態に置かれるのであるが、作中に出てくる他の登場人物にとっては別に少し逸脱してはいるが、日常の中の1つの出来事でしかない。級友も、電車でたまたま同じ車両に乗り合わせた乗客も、誰もサスペンス状態には無い。貴樹と明里も他のサスペンスドラマの主人公に比べれば、生死に関わるわけでも無いので、大した不安定と言えない状況である。

しかし、結末を観るまで、非常に不安定な気分になる。貴樹は明里に会えるのかというシンプルな結末を知りたくて。