秒速5センチメートル
「秒速5センチメートル」には、小説版とともにマンガ版(原作 新海 誠、漫画 清家 雪子)もある。小説版よりは映画版寄りの展開である。 キャラクターデザイン 映画版とは異なる。ただし、映画版はそもそも背景の精細な描写対比、人物の描写がのっぺりして…
「第三話 秒速5センチメートル」において、貴樹が部屋を出てエレベーターに乗っている際、ポケットから鍵の束を落とす描写がある。このシーンがなぜ挿入されたのか考える。 鍵を落とす直前の描写 流れの中で落とした鍵 落とした鍵の意味 落とした鍵さえも意…
「秒速5センチメートル」は、短編三部作である。その第一話タイトルである「桜花抄」にある、桜花とは何を指すのだろうか。 第一話 桜花抄 冒頭 図書室に舞い込む桜の花びら 岩舟駅校内ポスター 雪の中訪れた桜の木 第二話 コスモナウト 第三話 秒速5セン…
「秒速5センチメートル」には、小説版がある(マンガ版もあるが別途)。 詳細はこちらも別途考えるとして、ざっくりその存在意義と位置づけを見ていく。 なお、小説版は角川文庫版を元にしている。 映画版との関係 作者あとがき 内容的比較 画でしか表現で…
明里と貴樹の関係は、貴樹と花苗の関係ときれいな相似形にある。 思い続けるか否か 手の届かないところに行くこと 決定的な別れのシーンでの2人 残された者の末路は描かれず する側とされる側はTPOで入れ替わる 思い続けるか否か 貴樹は明里を思い続けて…
「秒速5センチメートル」にて降るものは、桜、雪、雨。そしてもう1つあるが、これは後述。通常の場合、これら降るものに対しては、人は雨具を用いる。 では、あまり雨具は描かないようにしている節がある「秒速5センチメートル」であるが、降るものはたく…
「第一話 桜花抄」と「第三話 秒速5センチメートル」では、小学生の明里と貴樹の通学路の坂・踏切、両毛線から見える岩船山、明里が貴樹を見送った岩舟駅プラットホームと、いくつかの同じ場所の描写が描かれている。変わらない場所を対比として描くことで…
「第二話 コスモナウト」の貴樹は、感情の起伏のない人物のように描かれている。これはしかし、第一話、第三話でもある意味当てはまるのではあるが、第二話は特に顕著である。花苗との絡みにおいても、一見優しい言葉はかける。しかしこれは考えようによって…
主要登場人物3人の名前について考えてみる 主要登場人物3人の名前 植物に関する文字が入っていることについて 樹木と草花 コトが起きる前までの状態 「樹」と「篠」と「花」 「野」「原」について 「澄田」について 「澄」について 「田」について 「明里…
「桜花抄」にて、貴樹が新宿駅トイレで、「第二話 コスモナウト」で花苗が告白を決意し学校のトイレで、ともに鏡に映る自分の姿に意を決するシーンがある。これについて考える。 新宿駅トイレ 学校のトイレ 2つの手洗いシーンの共通点と相違点 共通点 相違…
「秒速5センチメートル」において、象徴的に描かれるものとして、桜の花びらとロケットがある。この2つは何を意味するのだろうか。 登場シーン 桜の花びら ロケット 両者の共通点相違点 それぞれの意味 桜の花びら ロケット 結論 登場シーン 桜の花びら 「…
秒速五センチメートルは三話からなる。この内、第二話、第三話は、現実にあり得る話である。しかし、全体の鍵となる第一話は、現実にはありえない、もしくは色々重要な説明が省略されたためにありえないように見える話、言い換えればファンタジーになってい…
「第二話 コスモナウト」において、花苗が告白しようとしてできなかった直後、ロケットの打ち上げが始まる。縦に飛ぶロケット反射によって生ずる縦に一筋伸びる雲が、画面左右の一方を明るく、もう一方を暗く分ける。 ロケット雲の明暗が意味するもの 影に眠…
「秒速5センチメートル」において、貴樹は最後踏切のシーンまで初恋の相手である明里の影を追っていた。ラストの描写が曖昧なので、その後も明里の亡霊に悩まされるのか、徐々に逃れられるかは観る者に任されている。しかし、これほどまでに貴樹の心から離れ…
物語の出来事が起きたのはいつなのだろうか。 この物語では、多く具体的な年、月、日のヒントが描かれている。それにつきみていく。 第一話 桜花抄 第二話 コスモナウト 第三話 秒速5センチメートル 時の痕跡 第一話 桜花抄 貴樹が手に取る書店に並ぶ時刻表…
「秒速5センチメートル」の第一話は、上質のサスペンスアニメである。 サスペンスドラマとは 自然と時間のサスペンス 結論は基本二択というシンプルさ 日常の中のサスペンス サスペンスドラマとは サスペンスドラマとは、観る者をハラハラさせるような不安定…
「秒速5センチメートル」にて、貴樹が関わりを持った女性3人について、貴樹との関係、特に頼り頼られる関係に着目してみてみる。 明里は思春期初期故に貴樹を頼る 花苗は思春期後期故に貴樹を想うが頼らない 元恋人水野さんは大人であるが故に頼らない 人の…
貴樹の部活 東京の中学時代はサッカー部であった。しかし鹿児島の高校では弓道部に所属している。 舞台となった高校はどこか。クレジットを見ると取材協力として、鹿児島県立中種子高等学校のサーフィン部の皆様、弓道部の皆様、生徒の皆様、教職員の皆様と…
「秒速5センチメートル」において、「変わる」ということと「変わらない」ということはどのような意味を持つのだろうか。 変わる明里 明里は第一話と第三話で登場する。明里は第一話では、貴樹に依存しているように見えるのだが、明里と貴樹との関係におい…
短編3話からなる物語。一貫して描かれるのは、人生の節目である「卒業」に翻弄される男女。 各話における卒業 第一話 桜花抄 第二話 コスモナウト 第三話 秒速5センチメートル 卒業の意味 第一話の卒業の意味 第二話の卒業の意味 第三話の卒業の意味 全体…