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【麒麟がくる】三淵藤英と明智光秀の臣下観


三淵藤英は、室町幕府で足利義昭を擁立し最後まで仕えた武将。『麒麟がくる』では、最後まで義昭を立てて信長軍と対峙した。

三淵の忠臣思想

降伏後も、追放された義昭に対し密使を送っていたという嫌疑がかけられ、信長に自害を命じられる。それに対し、降伏してもあくまで仕えるのは義昭だと明言し密使を送ったことを否定しないまま運命を受け入れた。これにより信長による自害命令が正当化されるのだが…何か釈然としないものが残る。この二君に仕えず的な三淵の思想は、時代を考えると馴染まないからだ。三淵は、戦国武将でありながら、室町幕府という権威に取り込まれていたのであろう。三淵藤英を谷原章介氏が演じたことで、戦国時代の下克上の中、室町幕府内部の人という時代遅れとなりつつある人物像に、スマートさ、良識を感じられるようになっていた。ストーリー的には、三淵の忠臣ぶりを描いておくことで、後に光秀が信長に謀反を起こすこととの対比になるのだろう。

光秀の臣下観

光秀自身は、信長に尽くしているようでそうでないようでという感じである。そもそも史実では出自も不明で、これまでの経歴からして二君に仕えないわけにもいかず、時々で召しかかえられるまま活躍してきた人物。

ただし、三淵と交流したことで、光秀の臣下観が変わった面はあると思われる。光秀が信長より上に将軍、天皇を置いて考えていることが度々描写されたが、このような思考の形成に三淵の存在は大きいと考えられる。しかし、そもそも、三淵と親交を深めていた時は、光秀自体は信長と義昭の双方に仕えており、二君に仕えないも何もない状況ではあった。