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【IP~サイバー捜査班】第1話 サイバー全振り版『科捜研の女』


サイバー全振り版『科捜研の女』。ストイックな一面のある榊マリコに対し、こちらの安洛は、ストイックの先に行ってしまっている。全体のトーンも科捜研の安定感と比べると、勢いはある代わりにガチャガチャした印象。しかしそれはそれで魅力になりうるのでシリーズ化するのだろうなとは思える。

モットーはノーハラスメント

係長はそんなことを言っているが、これは、脚本的には、ハラスメントを笑いのネタとして扱おうとしていることから出たセリフ。ハラスメントを敢えて笑いに使おうとするセンスは今どきチャレンジングなスタンス。この点も優等生の集合体といえる『科捜研の女』とは逆。

フリーアドレスだがこの机は私のだがら絶対に使うな

そう係長は言う。しかし安洛には使われても何も言えない。微妙に色々ハラスメント臭がする発言と行動。

盗撮

盗撮は絶対ダメなやつ。犯罪になりうるやつ。警察官の同僚がそれをやるか?盗撮するなら私を撮れと川瀬が言うことで誤魔化しているが…単に川瀬の犠牲の上で、成り立っている平穏さと言うこと。川瀬本人が嫌がっていないからと言うのは理由にはならない。

足が太くなったと気にしている

セクハラに当たると小宮山が言うも、実際太くないからと女性の川瀬が言ったら終わりみたいな感じ。それで良いのかな。ただ、ここは微妙で、「足が太くなったと気にしている」のは小宮山で、それをあくまで情報として集めたと安洛は言っている。しかし、セクハラに当たるか否か以前に、一人暮らしを始めたばかり、温泉旅行を計画しているとか、過度な個人情報の収集は、それはそれで問題になりうる。

着任して来た人に「即刻、辞めた方が良い」という発言

人の情なんて割り切れないものに固執するのは時間の無駄だ。それが理解できないならこの仕事には向いていない。即刻、辞めた方が良い

着任したばかりの人にこれを言うのはいかがかと。この発想で生きると確かにハラスメントを生む。

暗号化したという脅迫

身代金を払わなければデータが戻らないと言っているが、払ったから元に戻ると言うわけではない。暗号化したのではなく単純に消しまくっただけかもしれない。ハッキングしてデータを人質に脅迫する犯罪者が、身代金を払ったからと言って元に戻すとは限らない。

結果論として、データを人質とした身代金脅迫は、ある意味狂言だったから良かったものの、これが本気のハッカーだったら、極めて重大な事態になっていたはず。なんというか、事件を大きく見せて視聴者を煽ったが、別に当事者たちは何かしたわけでもなく、実際の事件は小さなものだったために大事に至らなかったと言うだけのお話。視聴者を手玉に取ることにはは成功しているが、後でよく考えると、酷くご都合主義なストーリー。拡大スペシャルの初回からこれなので、こんな感じで続くのかなと少し心配になる。

0か1、選ぶのは人

これがテーマかな。警官の格好をした犯人に駆け寄ろうとした小宮山を止めた多和田が

なんか嫌な予感がしただけだよ

と言っているのも、0か1では割り切れない何かがあると言うことを仄めかしているのだろう。小宮山・多和田 対 安洛という構図か。

"コミュ障気味のオタク気質"の岡林琢也

「コミュ障気味のオタク気質」と書くのはまあ良いとして、公式ページの相関図で、相関を表す線が出ていないのは、この人だけ。本当に人間関係を築けていないことが分かる。嫌われたり、敵対してさえいない、いてもいなくても同じな存在。何でも良いから誰かと繋がる線を作るべきだったと思う。