Golden Time

時はお金で買えませんが、時間はお金で買えちゃいます。

【舞いあがれ!】第93回 貴司がプレッシャーに潰されるの待ったなし?


貴司精神的限界に来ているね。前回と違い、表情がヤバい。殻を破る代わりに何かを捨てることの覚悟なのかなぁ。違う気がする。貴司のワンパターンではなく編集者の北條は、貴司の他の面を出せと言っているだけのように見える。

舞が蚊帳の外になっている感じだが、今の貴司に舞がやれることって何だろう。

先生のそばにおること悪く思わんといてくださいね

この史子の言い方は上手いというかずるい。舞が近づくことは否定してはいないから。だから久留美が「貴司君に近づくなってこと?」と言うのは間違っている。久留美は大人になって思考が短絡化した気がする。少女の時はもっと色々察してた。しかしその後の「どんな時でも、自分にできること探すのが舞やろ」というのは正しい。

史子は対人経験がゼロに近いが孤独から抜け出そうと努力をしている人物だとすると、貴司に恋愛感情は求めていないかもしれない。しかしそれを越える家族としての関係を求めている可能性はある。その方が厄介かもしれない。

また、もし史子がいなかったらと考えると、それはそれで舞には厳しいことになるかもしれない。苦悩する貴司を見ながらも何もアドバイスも聞き役にもなれないわけで。貴司だけでなく舞も疲弊しそう。この意味で、史子は毒にも薬にもなる不安定な役割ではあるが、必要なキャラなのだろう。

編集者 北條

「何でいんの?」といきなり史子に放つのスゴイ。後学のために見学とか答える史子もスゴイが、「尊敬する先生を俗物から守りたい?」と返す北條もスゴイし、再度「ご明察です」と返す史子もスゴイ。ここまで貴司のセリフなし!

ただし、今日も沢山しゃべった史子だが、結局、北條にやり込められてるということだよね。北條は貴司と自分の要求の落とし所をちゃんと探っているが、史子は今の状態の貴司を守ろうとしているのでゴールが違うというのはある。

貴司の北條を見る表情

生殺与奪権を握られている感じの表情。つまり貴司はこのチャンスに賭けている。史子とは違う。

地味なのがダメだと

本当に歌集を出したいと思ってる?何で?

これに答えられない貴司。

歌集を出したいんならさ、ちゃんと大勢に伝わる歌を書いてよ。短歌を作るってことは、自分の中の本当の気持ちを差し出すってことでしょ。梅津さん、何か…伝えることを諦める気がするんだよね。自分だけの狭〜い世界で満足してる。僕が出版したいのは売れる歌集なんだよ。このままじゃ、梅津さんの歌集は出せない。

言われた後の貴司の顔。考えてもみなかったことを言われて呆然としてるのかな。

結局、「本当に歌集を出したいと思ってる?何で?」という北條の問いに貴司は答えなかった。

舞とめぐみの朝ご飯

家族でのご飯シーン多いの良いね。食卓囲むの2人になっちゃったけど。

御園の実家

町工場だったのか!これは味方ということ?

何で舞は、御園に好きな人はいるかと抉られてんの?

飲みに誘われて、色々剥がされてるし。まあ、ドラマってこうなんだよなぁ。幼馴染って暴露しちゃってるよ。あ〜あ、御園が興味持ったら時間の問題。

史子がいつもそばにいること

四六時中いるな。コンビニバイトいつやってるんだ?ひょっとして深夜バイトして明けたら『デラシネ』に来てるのか?

"夜遅いし帰った方がええよ"

ここは"デラシネ"だからね。史子に来るなとは言えないからこんな言い方するのだろうなぁ。

『デラシネ』は来るもの拒まずの場所だが、史子みたいなのが来るとちょっと運用考え直さないといけなくなるんじゃないかとも思うのだが。しかし貴司も『デラシネ』に入り浸っていたので、来る者を拒絶しないの徹底しているのだろう。編集者の北條とやり合ってしまう史子に対しても咎めることをしない貴司は凄いと思う。貴司の歌集出版が取りやめになりそうなことまで史子は言ったりしてるのに。

それにしても、"夜遅いし帰った方がええよ"という言葉からは、史子への愛情のような何らかの思いを感じない。未だ会ってそれほど経ってはいないとは思うが、自分を慕って来てくれている相手に対してもう少し言い方があると思う。逆に毎日来られるのが不快なら不快でそういう感情の示し方もあると思う。貴司の言葉からは、日中遊びに来てくれる子供達に対するのと同じかそれ以下の熱しか史子に対して持っていないように感じてしまう。要は、舞に対してだったらそんな風には言わないのではないかと。その思いの違いに気づけば、北條の求める相聞歌が書けるのではないのか?

史子の侵食

段々と史子のウザい感じが高まって来た。何というか『デラシネ』の中に強固な自分の居場所を作ろうとしているよね、あの人。

ただ、史子は『デラシネ』をようやく見つけた孤独感から救われる自分の居場所だと思い始めてそう。その意味で、史子は、自分が欲しているのは貴司本人ではなく貴司もいる『デラシネ』であると、段々と気づいて来ているのではないかな。

静かに『デラシネ』の存在意義が問われているのかも

八木が、貴司に居場所として『デラシネ』を提供したように、今度は貴司が史子に『デラシネ』を提供するのではないかな。そうなると、貴司は『デラシネ』を出ないといけなくなる。これ、舞と結婚するルートも考えられるが、八木が行方不明であることを考えると、また旅に出てしまうのではないかな。そもそも根なし草だから一時的に『デラシネ』にいるわけなので。

つまり、『デラシネ』主人は、

根なし草の誰か→八木→貴司→史子→次の根なし草

と、受け継がれるものなのではないかな。そして引き継いだ者は、旅に出て行方知らずになると。

あれ?北條から折れてきた

編集長とかに怒られたか?もしくは飴と鞭的な感じ?欲しい歌を要求して来たよ、ああ!しかも相聞歌って…。

北條は歌集の中の10首だけ方針に従えと言っている。これはビジネスとして必要な最低限のラインかもしれない。歌集を出して赤字にはできないから。その意味で北條は貴司の歌集を出したいと本心で考えているっぽい。

北條は、振る舞いや口調がアレなだけで、貴司に対しかなり気を配って売り出そうとしているのに、史子が邪魔してる…みたいに見え始めたぞ。

10首の相聞歌

貴司が自由に作った300首は合格が出てるわけで、売り出し用に目を引く10首作れと言うのは、商業的成功も必要な北條としては、最低限の譲歩に見える。これに乗らないなら貴司は世に出る大きなチャンスを失うことは確実。これは乗らざるを得ない。

これまで貴司が舞に贈った歌を差し出す時が来たか…しかしこれ、出版されたら舞との関係を確実に変える。これらの歌は、自分と舞の2人だけのもの。これを出版のために世間にさらけ出すことができるか…と言う葛藤が次回来るのかな?それとも、「実は相聞歌は大のお得意の貴司であった」…という語りと共に、貴司は次回復活しちゃうかもしれない。

貴司に心の余裕があれば

舞のことを気に掛けることができる。それが節目節目の舞への短歌を書いた手紙だったのだと思う。今の貴司には、まあ、舞にいつでも会えるというのもあるが、自分のことで精一杯で、舞を気にする心の余裕がない。しかし、これが北條に言わせるとダメなのだろうなぁ。

前回(第92回)において、

銀の糸通しのように足重ね羽虫はやがて沈んでいった

の史子の解釈が貴司の意図と違ったこと。沈んでいった羽虫を史子は貴司自身のことだと考え、貴司は自分の孤独だと言う。孤独が沈むと言うのは分かりづらいが、孤独が消えることはないが意識しないくらいになるということであれば、これは舞のおかげで沈んだという意識があるのではないかな。

貴司の両親が静かすぎる気がしないでもない

貴司の両親が歌集出版に関して全く描写が無いのが良い。あの夫婦が何も言わずに見守っている可能性はなくはないけど…どうなのだろ。

蚊帳の外の主人公、舞

貴司の大事な時に、急に登場した御園と恋バナするしかない蚊帳の外感ある舞。『舞いあがれ!』は結構主人公を外して物語中の大きな話を進めがちだよね。