万太郎、綾、竹雄の3人が自由民権運動の考えを自分なりに咀嚼して、それぞれ考えを言葉にしている。
自由民権運動の演説を聴いた万太郎、綾、竹雄の三者三様の動きが凝縮した楽しく充実した週末金曜日回だった。
万次郎と万太郎
2人の会話をパッパッと進めていく演出好き。結局、行き着くところは自由民権運動ではなく植物の道に進む方向だった。
"帰ってこん方が、よかった"
こんなことを言う万次郎。15歳から23歳まで"自由"だったと。スパイ疑惑により条約締結に参加できずに結局不平等条約になったと。それに対して、
外国の事情も言葉も、談判のしかたやち、あなた様なら、お分かりのことがたくさんあった
とスラッと出てくる万太郎の頭の良さ。
自分だけが果たせる務めがある。そう分かっちょりながら…己を殺したがよ
この万次郎の思い…後で悔やむ道を選ぶなと言うメッセージなのか。
万次郎の海上で感じた充実感。これが万太郎には草の研究だということに繋がるのか。逸馬、連れてくる場所間違えたよ。
本当は鎖を引きちぎって野山に行きたい
と言う万太郎に対し、万次郎が、
人の一生は短い。後悔はせんように
と言うのは、万太郎にやりたいことをやろうとさせる切っ掛けになったのかな。万太郎と万次郎は、元々抽象的な自由について話していたはずが、具体的な個人の自由、自分自身の自由にポイントがズレている。逸馬、ピンチ!
万太郎が日本にいながら"日本より進んだ海外"を実感していること
万次郎はこの点に万太郎に対し何かを見たのではないかな。万次郎は成り行きで海外を知ることになったが、万太郎は自分の意思で東京の博物館まで行って知ったという違いはあるが。
"わしも楽しかったですき"
竹雄が綾に付き合って祭りを楽しんだことを言葉にする。これは時代的に奉公人とお嬢様の関係で言って良い言葉なのだろうか。自由民権運動の話を聞いて勇足したのかな?
さらに畳み掛けて櫛を渡そうとするのだが…綾に、竹雄も自由になって良いと言われて、更に、
もう万太郎や私に仕えんと自由になってかまんがよ
と言われてしまう。竹雄、封じられた。ただ、綾は自分の境遇を考えた上で、身の振り方や竹雄のことを考えている。
ここで竹雄が食い下がるの少し気の毒。プロポーズ的なことしようとしたのに出鼻挫かれたからおかしくなっているのか。渡そうとした櫛はケースに戻される。
結社に入るかと再度逸馬に誘われるが…
政治のことをしゆう暇はないがです
なんて万太郎は答えてしまう。それは、そうなるわな。ジョン万次郎のところに連れてきた逸馬が悪い。万太郎は、身体、財産の自由が確保されている。やりたいことができる環境が整っている。万次郎とは違う。
万次郎からシーボルトの本を渡される
ウワッ、シーボルトが来た!万次郎はこの本の価値が分かっていなかったようだが、万太郎はこの本の学術的に足りない部分に気づく。そこに万太郎の入る余地があることにも。
万太郎の外国人と張り合おうという姿勢に逸馬は生き生きし出す
あくまで逸馬は万太郎の考えに委ねる。逸馬、良いやつだな。
逸馬は、自分たちが日本国内での人権のことを考えているのに対し、万太郎が海外に目を向けて行動に移そうとしているのを見てとって、それもより良い日本のために必要と言う感じで受け入れたのではないかな。
東京行きを決めたか?
わしは佐川に帰ります。そして…行くがじゃ
確かにこれは万太郎しかできないな。問題は、万太郎がどこに行くと決めたのかということ。
結局、3人はすれ違ったままなのか?
3人それぞれが色々思うことがある高知の出来事であったが、3人は意思を直接通じ合ったわけではない。佐川に戻ったらどう言う関係になるのだろう…と期待させてまた来週ってなるの、巧みで楽しい週の終わり方。こういうのが好き。
自由民権運動と3人
自由民権運動の演説を聞いたことは、万太郎、綾、竹雄それぞれの今後の生き方に大きく影響を与えるのだろうなぁ。もし綾と竹雄が結婚できるとしたら、この思想が影響を与える可能性が高い。ただ、綾の考えるような酒造りの技術を持つ者と結婚することの方が、峰屋のためにはなるだろう。