Golden Time

時はお金で買えませんが、時間はお金で買えちゃいます。

【らんまん】(107)世界を見てきたということ


強運の持ち主エピソードだった。 対比として大窪にはそれがなかったということも描かれている。なんというか醒めた演出という感じ。

田邊教授も徳永教授も海外留学している。しかし万太郎はしていない。万太郎は、自分がやりたいことをやっていて上京したら、それが運良く日本の植物学の先端であったため、東京大学に潜り込めたが、研究トレンドの変化は速いということか。

出羽守が幅をきかせる世界ということね。

地べたはいずる植物学は終わった

大窪の悪態…これは自分が切られたからのもの。徳永も細田も海外から最新の植物学を持ち帰る。海外留学をしていない大窪には売りがない。売りがないと生き残れないと。単に留学し"持ち帰る"ことが明暗を分けると。その点で、海外のトレンドを持ち帰ることが植物学教室に残る際に重視されるなら、徳永に早く留学しろと言った時は冷たい人だと思えたが、今思うと田邊は先見の明があるし、田邊は留学から帰った徳永を笑顔で迎えており、人間も大きい。

ヤマトグサの栄光

ひょろっちくてかわいいだけのヤマトグサ。"かわいいだけ"?大窪、ヤマトグサを愛でてるな。しかし、大窪は万太郎と違ってそれでは生きていけないのよ。ヤマトグサのエピソードをうまく挟むことで、大窪の憤りをやわらげ、万太郎と大窪は円満に?袂を分かつ。

ヤマトグサの命名の栄誉を万太郎と連名で受けながら、植物学研究室から退場するの、なんとも言えない感じ。

留学により"新しい植物学を持ち帰る"ことの重要性

細田は最新の植物生理学を持ち帰る。結局、海外のトレンドを追いかけることが業績になるという実態なのだろうな。まあ、標本ひたすら作って新種を探すというのも、植物学としては必要ではあるだろうが、"学問"として捉えると、植物生理学の分野の方が、高度に見えるのは、仕方ないなと思う。

寿恵子、趣味を生かす

ドラマの中では『芳流閣』と言っていたが、要は『八犬伝』。寿恵子のオタク趣味が実務の役に立ったか。

軍人の台頭

これまで『らんまん』世界では、世界と対等になるためにと言っていたのは、政治家、貴族、学者であったが、遂に軍人が表に出てきた。

万太郎は台湾行きを受けるのかな。受けるとなると陸軍と行動を共にすると思うのだが、日本の勝利、利益を第一に考えるであろう陸軍軍人と、万太郎では色々摩擦が起きそう。弥之助の口利きという立場はどの程度の威光があるだろうか。

岩崎弥之助、万太郎のことを気にしている

徳永教授に呼ばれて教授室に行ってみたら…陸軍軍人恩田大佐と里中先生が自分のためにいるというのは、万太郎驚くな。

しかし、細田に呼ばれて教授室に行く際、やりかけの標本作りを優先してもたもたしている描写は、万太郎らしいという感じはするが、流石に植物学教室の長の徳永教授が呼んでいるのだし、来客があることも分かっているだろうから、ちょっとやりすぎの気がする。

植物学教室にも、台湾への調査派遣の話が来ると。しかもおそらく万太郎指名で。弥之助、裏で手を回したな。これは逆に最新の植物学は不要で、分類、記録、標本作りの知識や作業能力が問われるので、万太郎が最適任。まあ、現状の植物学研究室では、いずれにせよ万太郎が指名されていたのだろうなぁ。他の研究者は新しい植物学に忙しいから。万太郎、これでしばらくは肩身の狭い思いをせず植物学で生きていけるな。

弥之助は、万太郎のことを気にしているのか、寿恵子のことを気にしているのか、万太郎と寿恵子のことを気にしているのか。それとも別なことを気にしているのか。意図はわからなくとも、万太郎にとって良い方向に流れを作ってくれているのは間違いない。

田邊、徳永、弥之助

万太郎は田邊に植物学教室に迎えられなければ、大学での研究を始めることはできなかった。田邊からは追放されるも、徳永が再度呼んでくれた。しかしそのままでは肩身が狭い思いをする可能性があった。そこに弥之助が現れた。そこで台頭著しい陸軍からの仕事の依頼がアレンジされた。運の良さで世の中を生きている人だな。そもそも峰屋の当主として生まれたところからして、運が良い。強運の持ち主。

留学した者が上につくシステム

黎明期だなぁという感じ。そして軍事の世界では日本が台頭しつつあるが、学問の世界では未だ追いつけ追い越せの時期だと描いているのかな。

田邊教授も徳永教授も海外留学している。しかし万太郎はしていない。万太郎は、自分がやりたいことをやっていて上京したら、それが運良く日本の植物学の先端であったため、東京大学に潜り込めたが、研究トレンドの変化は速いということか。浦島太郎状態というやつかな。ただ、標本採集という植物学の基礎についてはこれからも大切なジャンルではあるので、徳永教授はその部分を"雑用"としてお金を払って万太郎に任せたということか。

田邊教授や徳永教授にとっての海外は、土佐にいた万太郎にとっての東京大学

自分の今いる場所から見て、学問的に進んだ場所ということで共通する。万太郎は、マキシモビッチ博士のところへ行こうとしていたが、それは背に腹はかえられぬ事情があったからで、万太郎にとっては東京大学が今も理想の研究場所なのだろうなぁ。海外に勝たなければという意識がないことは、万太郎が小学校中退ということが影響しているのかもしれない。