前回、スズ子は多くの観客に歌を届けた。梅吉はスズ子の歌から何かを得た。この関係歪なので、やはり2人はもう一度これからについて話し合わなければならない状況になった。それで早速今回というか、週末金曜日の放送でスズ子と梅吉のサシでの会話がセットされる。ドラマ的に自然な展開。梅吉がこれからも東京で生きていくには梅吉にとって東京は何もない場所なので、やはり香川行きを決心するのも、それはそうだと思う。スズ子がちゃんと納得して送り出すことができる形で描いたのは良かった。満足の週の締めの金曜日。
梅吉香川行きの視聴者視点感想
スズ子は梅吉の香川行きを一旦は引き止めて、その上で認めるのドラマ的ながらなのだけれど、時代を考えると今生の別れになるかもしれないんだよね。まだ1941年末だから当人達にそれほどの自覚はないかもだけど。歴史を知る視聴者から見るとね。
合同コンサートのステージ構成
実際はともかく、ドラマで描かれた範囲では、りつ子挨拶→りつ子歌唱→スズ子歌唱→りつ子歌唱ということね。ちゃんとりつ子が格上として扱われている。
おでん屋
スズ子は小夜と2人で帰る途中、おでん屋で飲む梅吉を見つける。小夜は気を利かせて先に帰るということで2人で飲ませる。小夜、良いやつ確定で良いのかな。小夜の気遣いの描写が続いてなかなか良いのだけれど、これで話が進んで戦後のどさくさにスズ子の財産盗ってどこかに行ってしまったらなお良い。
ともかく2人サシでのおでん屋で梅吉は香川行きを決意したことを告げる。これはスズ子から離れたいということではなく、スズ子がステージに立って歌うのであれば、どこにいても寂しくないからと。しかしスズ子はそれでも引き留めようとする。"飲んべえで働きもせんと、情けのうてだらしのうて何の役にも立たへん"おとうちゃんでもいなくなったら寂しいと。何故なのだろうと言うスズ子に対して、梅吉は、
はっ…決まっとるやろ
親子やからや。あたりまえやろ
と言う。これ、これをスズ子は聞きたかったのだ。ただこれ、梅吉は本心で言ったのかなという気はしてしまう。ツヤのため自分が香川に行くための方便であった可能性は…ないかな。もう梅吉にも家族はスズ子しかいないこともあるし。
ミミズ探し
探そうと思ってる時に限って探せないのがミミズ。梅吉がミミズがよくいる場所を知っているのは、亀を世話していたからなのか、それとも幼少時から知っていた知識というだけなのかは分からない。
考えすぎかもしれないけれど、ミミズには命があり、しかしスズ子たちはそれを亀の餌として探している。見つかったミミズは命を奪われる。これを戦争で亡くなった六郎のために行なっていることに何か意味はあるのだろうか。
梅吉、香川へ出立
昭和16年の年の瀬。これで梅吉は東京大空襲からは逃れることができたか。しかし高松空襲があるから大丈夫かな。
『アイレ可愛や』
南洋の村娘。南洋というのがポイントかな。日本軍が占領していた土地だから。羽鳥、ピンポイントで攻めてくる。如才ないし、言い方変えると小狡い。
こういうところ、羽鳥は音楽家というよりビジネスマンだなぁと思う。というか、音楽の才能を売るビジネスマンと言えば良いかな。