Golden Time

時はお金で買えませんが、時間はお金で買えちゃいます。

【35歳の少女】第1話 不安定にタネをばら撒いて次回に続く


物語がダークなところに行くのか、微感動路線に行くのか、ジェットコースター路線に行くのか、予想がつかないし、第1話を観ても想像できない。というか、どのルートにも行けるようなまま第1話は終わった。
色々これからのストーリーが膨らむような設定のタネをばら撒いて次回に続く。

単独事故設定の意味

これにより、加害者とのやりとりというドラマの本質ではないエピソードを避けることができたのだろう。また、自転車のブレーキの効きが悪いことについては、父親の整備漏れが原因と言及しており、自転車の製造物責任問題を回避している。徹底して事故に関わるトラブルは避けている。そんなものは物語としては不要だから外している。これは徹底している。

医療費

家のローンを払いながら25年間の医療費をどのようにまかなってきたのか不明。父進次と母多恵がよほどの高収入であるか、資産を元々有していたかのいずれかでなければ、進次が別に家庭を持つことなど不可能に見える。

「奇跡のドアを開けたんだよ」

父進次のセリフ。これ、今後の物語の進み方次第では「パンドラの箱を開けたんだよ」とも言える。しかもこれを、離婚して家を出て、既に他に家庭を持っている父が言っていることに色々意味がある気がする。この父が言うからこそ、素直に賛成できない何かがある。言葉が軽いといえば良いかもしれない。これを母多恵が言っていればまた違う重さが出てこよう。

自ら声を発するまでは、子供時代を演じた俳優さんが声を当てているところが望美のリアルさが出ている。ありきたりな表現とは思うがリアル。

表札

望美の中では自分の名前は「今村望美」。しかし、退院して家に着いて最初に目にしたのが表札。ここは「時岡」となっている。父母が離婚して母方の名前になっている。この時、母多恵は表札を隠そうとするが見え見え。しかし見えているはずなのだが、ここでは望美は何も言わない。同じ第1話の終わり近くで自覚することになる。つまり、物語の中では自宅に帰った最初は、視聴者からは表札が見える角度だが、望美からは見えなかったという設定なのだろう。

今村進次の娘と息子

実の娘、望美(35)
義理の息子、達也(25)
10歳違いで、共に現在は外界から離れて生きている。物語はこの会ったことのない義理の姉弟の親である進次を軸に進む可能性はある。特に年齢差10歳というのは、要は達也は望美が事故に遭った年に生まれているということ。ここに何かあるということはないのかな。色々可能性は考えられる。

母多恵の鬼気迫る執念は怖さではない

‪自損事故だから、保険が効くとはいえ、お金の工面が大変だったのではないかと思う。その上で離婚しており、多恵にかかる重圧は相当なものだったはず。その中で、望美を回復させることの一点にまさに人生をかけていたといえる。

その上での望美の覚醒なので、母多恵の執念が実ったということ。第1話開始時点では、多恵は鬼気迫る印象だったが、それは怖さではなく、まだ、目標の1つしかクリアしていないといった感覚ゆえの「これからが本番」という意識の表れなのではないか。‬恐らく家族の中で、望美の覚醒について一番冷静なのが多恵。

脇を固めるいつでもダークサイド堕ち可能な助演陣

物語がどの路線に行くのかは分からないが、とにかく色々な布石は終えた感じの第1話。鈴木保奈美、田中哲司、橋本愛、坂口健太郎、富田靖子、竜星涼と明るいようでいつでもダークサイド堕ちできる俳優陣が脇を固めてるから、安心しかない。

劇的なことを淡々と

第1話の印象は、望美及びその家族に劇的なことが次から次へと起きているはずが、それが淡々と進行していく。これがこのまま続くのかもしれないが、まあ、そんなことはなく、どこかで臨界点に達するのだろう。