第1章完結なのだが、何かよく分からないものが、あちこちに残っている。
ネクロマンシー
第2話で命くんの自宅に行った際、義澤は次のように言っている。
黒魔術の本…一時期 僕もハマりました。特にネクロマンシー。死体をよみがえらせる事なんて本気で考えましたよ。
というの、少し無理があって、死ぬの前提。確かに死の危険と隣り合わせなのは事実。しかし、義澤は、それよりも意識を回復させる方を本気で考えたはず。なぜそれについて語らなかったのかは、命くんとは関係ないからなのか、それとも、実は義澤は、生かすことには関心があるが、意識を戻すことには関心がないということも考えられなくもない。それがどういう意味なのかは分からないが。何回聞いても分からないロジック。彼女が死んだ時僕はね 結婚を考えていた彼女が事故で動けなくなった。機械を外せば死ぬ体。もし彼女が死んだ時に、蘇らせることができないかと本気で思った時に読んだ。周りの人はバカにした。だけどこれは大切な人を失った人にしかわからない…ではなく、彼女が意識を失っている今、意識を取り戻せないかと本気で思ったことあるでしょうに。なぜそれも語らないのか。
伊吹命くん
第3話で川沿いでソフトクリームを命くんと食べる吉澤。外で食べている点が引きこもりからの解放の第一歩。なのだが、私服で外に出ている点にも注意が必要。引きこもりの若者が、先生の家庭訪問で学校に登校するようになり、学校以外のところは外出もするようになった。これ、進歩。命くんの親から感謝されるレベルのもの…まあ、そんなシーンはないが。
『蘇りの書 ネクロマンシーの全て』という題名の文庫サイズより少し縦長に見える本。著者名、学会名ともつかない記載が下部にあり、「黒魔術学」と書かれている。この本は、義澤によると、「よみがえりの蘇生技術にまつわるレアな本」で、命くんは食いついてくる。義澤は更に「古本屋を回りまくりです」と言う。
安田町子先生
保健室で頼田により窒息させられようとした際、タイミング良く現れ未遂に終わらせ、首吊りの際も、事件後、速やかに現れ呼吸の止まった義澤を発見する。町子先生何者なのかという疑念が湧く。しかも、義澤側なのか頼田側なのかもつかめない。
不誠実な義澤先生
漠然としか表現できないが、義澤は、本当に静の婚約者だったのだろうかという考えも浮かぶ。義澤は義澤で色々考えるところがあって、頼田や生徒を挑発しているわけで、義澤の言動を全て本心からの行動だと信じることは難しいし、そもそも回想シーンさえ、脳内だけの事実の可能性を否定できない何かを感じる。
義澤先生が生存するには
致命的刺し傷
頼田先生は、義澤を刺した後、脈を確認しているように見えるシーンがある。但し、なぜかハンカチ越しに脈を取っているようにも見える。ひょっとしたら、これは脈を取っているのではないかもしれない。また、義澤のシャツの血の跡をみると、微妙なところを刺しているように見える。心臓か肺のいずれかを刺していればまあ助からないと考えるべきだが、階段から落とされても、首を吊らされても、次の日学校に来る強靭で幸運な肉体を持っているため、生き帰って来る可能性はあり得る。
生き埋め後の速やかな救出
仮に刺し傷が致命傷とならなくとも、生き埋めにしたからには、速やかに地中から救出しないと窒息死する。
現実的には
刺し傷のもしくら生き埋めによる窒息により、生存は不可能と思える。
義澤生存の鍵となる人物
義澤の危機を二度も救った町子先生か、生き埋め現場に居合わせたネクロマンシーに興味を持ち、義澤から本をもらった命くんのいずれかもしくは両方が、義澤が生存するとすれば鍵となるだろう。