Golden Time

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【コントが始まる】第3話 各人の挫折話


春斗の兄の今も続く挫折、潤平の近い将来起きる可能性の非常に高い挫折、里穂子の、過去ではあるが完全に乗り越えることは一生難しいかもしれない挫折、と現在・過去・未来の挫折が描かれた第3話。起承転結の承にあたると言える。しかし主要登場人物の一人、瞬太については今回はほとんど何も深掘りされなかったことが逆に不気味。次回予告から、第四話で取り上げられるらしいことが分かっている。メンバー加入にしても、何にしてもいつも瞬太は後からだし、ドラマ中も、そこにいてセリフも話しているのにストーリーには絡まず、空気になっていること多い。その瞬太が第4話ではメインポイ。もう起承転結の転に行くのか?それとも承のままか?

今日のコント『奇跡の水』

足を洗ってくれと言う言葉が、ドラマ内の人物には分からないが、ドラマ視聴者には、潤平の足が臭い話と二重の意味になってると気付かせるためだけに足くさい設定になってる潤平のことが愛おしい。

双子で還暦、どっちも独身

潤平のこのセリフ、セクハラ発言かな。それだけでなく、年齢についてのディスも入ってる。入れる必要のないセリフな気がする。後に出てくるのだろうか。出てくるとしたら演じるのは誰というか誰と誰なのだろう。

里穂子の過去

1年半前からの危うい生活について語られる。里穂子は『マクベス』のコントに生きる上での元気を得られたのだろう。

里穂子がなぜマクベスに惹かれたのか。これは、コントそれ自体よりまず、働くファミレスにてマクベスの3人が、本当に仲良くしているからではないだろうか。恋人に裏切られ、同僚に裏切られと、人間不振に陥った里穂子にとってマクベスの信頼の上に立つふざけた3人が光って見えたのではないだろうか。里穂子がマクベスに惹かれる理由としては説得力がある。

後がなくなった潤平

『マクベス』を辞めた後の人生の保険だと思っていた実家が経営する酒屋の跡取りというポジション。これを姉夫婦に奪われそうになって動揺する潤平。そもそもモラトリアム期間延長のつもりで実家に来たのに、モラトリアムは終わったと告げられたわけで、潤平は、置かれた状況の激変を、恐らく未だ完全には理解できていないだろう。また、恋人奈津美は、潤平が夢を追うことに背中を押し続けていたが、これも実家の酒屋を継ぐという最終的な安全装置を想定してのものであれば、態度を豹変させかねない。潤平の近い将来は公私共に大きな帰路に立ったと言える。

惰性で走る乗り物『マクベス』

乗っていたら永遠に止まらないのではないかと思える様で、現実にはいつ止まってもおかしくないような乗り物、それが春斗にとっての『マクベス』。瞬太、潤平の2人にとってはどうなのだろう。潤平は、止まることを想定に入れている酒屋後継エピソードがあったが、瞬太については、今回は何も描かれなかったが、明らかに次回第4話は俊太回なの不気味。

たまには湯船に浸かったら?

「親父と母さんだけじゃ、お湯もったいないから」と続くこのセリフ。「奇跡の水」の水に掛けているのかな?単なる水に高いお金を払ってきた春斗の兄に対して、兄が入ろうが入るまいが毎日大量の水を捨てるお風呂のお湯がもったいないという感覚。これ、ポジティブかネガティブかは分からないが、兄に刺さっているのではないかなぁ。

俺が再婚するとき

俺が再婚するときまたコントをやってくれという春斗の兄。兄の頭が良い設定はダテじゃない。コントに被せて上手いこと言って弟を応援する。この兄弟、ありとあらゆることが真逆みたいだが、それでも最高に仲の良い兄弟だ。なんというか兄は弟を弟は兄を好きで好きでたまらないという気持ちが、少ないエピソードなのにビシビシ伝わってくる。

早く足洗ってくれよ

『奇跡の水』のラストのこのセリフが、潤平の足がリアルに臭いというエピソードに繋がる。これ、『コントが始まる』の視聴者に向けたコントになってる。

里穂子の過去

タコ焼きパーティーから上手く里穂子の過去話になったストーリーテリング上手い。

長男と次男

「家」というものに、潤平と春斗は考えが縛られている。潤平は第二子長男、春斗は次男。しかしいわゆる長男に対する考え方が対照的になっている。潤平は、勝手気ままにしていても長男だから実家の跡を継ぐのは当然自分だと安心していたところに、姉夫婦が跡を継ぐ話が出て、安泰と思っていたレールから、人生の岐路に立たされる。逆に春斗は次男でありながら、苦しむ兄を見て自分が長男的な振る舞いをしなければと意識し続けていたのだろうが、その兄に、コントのセリフを利用して「お前は好きなことやれ、両親をおとなしくさせるのは長男の役目だ」と言われたことで、精神的に長男的役割から解放され、コントを続ける動機になるのだろう。

向きの違う靴…

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脱ぎ方。春斗の靴、一人だけ向きが揃っていない。これ、どんな意味があるのだろうか。単に育ちの良し悪しとは思えない。これ、今後の対立構造を表すことになるのかなと少し思う。春斗対他の人たちという感じの。まあ、最初、つむぎと瞬太がいて、次に里穂子が帰ってきて、そこに潤平と春斗が来たので、最初2人の靴の向きは、揃っていなくても、里穂子が揃えた可能性はある。しかし、わざわざ描写している以上、何か意味があるだろう。

里穂子がコント『奇跡の水』を好きな理由

つむぎにこれを聞かれ、

どんどん手がつけられなくなっていく兄を諦めない弟の必死な姿が妙に愛おしい

と答える里穂子。つむぎはこれを聞き、そういうことと呟いて少し微笑む。このコントの兄弟は、もちろん春斗兄弟がベースだけれど、里穂子にとっては里穂子とつむぎの姉妹になぞらえて、どんどん手がつけられなくなっていく里穂子を諦めないつむぎの必死な姿が妙に愛おしいと言っているのだろう。そしてそれをつむぎも理解したと。今回の話は、春斗の兄弟と里穂子の姉妹が本当に仲が良いことを見せてくれるエピソードだった。

コントがテーマだけに作り込まれている

コント芸人についてのドラマだからか、お話も構造的にかなり作り込まれている印象。見つけきれないポイントがゴロゴロありそうで観ていて楽しい。まだまだ第3話であり、特大の伏線も見逃してて、ラストに「あっ!」てなるの待ち遠しい。

『マクベス』の由来らしき真壁先生

『マクベス』の由来らしき真壁先生
また登場するっぽい。結成秘話が聞けそう…とそんなことを期待してはいけないか。潤平の危機だから。真壁先生、忙しいを強調していたところが気になるが。結局、会えなくて潤平が荒れる展開もありそう。