Golden Time

時はお金で買えません

【着飾る恋には理由があって】最終話 それぞれの決断


綺麗な話の畳み方を見せてもらった。なんというか、最終回に慌ててバタバタ畳むのではなく、ピースが1枚、また1枚と面白いようにハマっていく…そんな感じの最終回で、落ち着いて、気持ちよく観ることができた。意外にこういうドラマが少ないので、ホント爽快感を得られる。

羽瀬と陽人

陽人の羽瀬を支えたいという気持ちから出たプロポーズは、絵の行き詰まりを知らなくてもプロポーズしたかという羽瀬の質問に返せず、轟沈。羽瀬は、陽人の世話になったら、辞めるという選択ができなくなるから辛いという。この羽瀬の気持ちの吐露は、心えぐられる。しかし結局、落ち着くところに落ち着く。ただ、絵画で生きて行くのは諦め、アート系の会社に就職するつもりだと言う。羽瀬の決断は前向きな姿勢の諦めと見れば良いのかな。羽瀬は世の中甘くないのを体現する役割を負っているようだ。いくらでも良い話が舞い込む駿とは大きく異なる。

駿の決断

自然の恵が豊富な地である北海道のホテルのシェフになるという決断、使う鴨肉の素材の良さとコストの話を第8話で描いたのはここに繋がるのか。手伝って欲しいとお願いされて参加した北海道フェスでの生きた毛蟹を手に取って、新鮮な食材には敵わないと言って北海道行きを決断したことを真柴に伝える駿。完璧だ。しかしこの決断、すぐ気が変わる。

人の決断というものは…

元カノのおかげで、北海道で新規開業するホテルのシェフを依頼され、そのホテル側から依頼された北海道フェスに参加し、フェスで出会った人の縁で、山奥でのキッチンカー営業を行い、山奥の人たちの喜ぶ顔を見て、北海道のホテルのシェフになることをやめ、日本全国をキッチンカーで巡ることをしたいと言い出す。駿は、他人からもたらされる、かなり簡単なきっかけで生き方を変えている。その意味で流されやすい性格とも言える。自分で決めたように見えるが、北海道のホテルのシェフの話も、全国をキッチンカーで巡る話も他者からもたらされたきっかけが元になっている。自分で決めた人生は歩んでいるが、夢に向かって努力しているわけでもなく、周りからもたらされるものに対して反応しているだけのように見える。

シャチの決断

葉山はトルコに行くことを決めたとメールを残して突然真柴の前から姿を消す。追いかける余地を残して連絡するの、葉山っぽくてダメな人にはダメなはず。私にはダメだ。そもそも同じ家に住んでいたのだから、旅立つとメールで突然知らせるのおかしい。何でいつも勝手にいなくなるのかと真柴に言われるが、その通りだと思う。無意識にやっているなら悪魔だし、意図的なら悪人。相変わらずの葉山。

真柴の決断

会社を辞める…スッパリとこれを決断できるのは、やはり駿の決断を見たからか、シャチの決断を見たからか。ただ、真柴のやりたいことというのは、サラリーマン生活の上に成り立つもののような気がする。駿とシャチの決断には、やりたいことがお金に直結する仕掛けに見えるが、真柴はバイヤーを目指すというも、インフルエンサーとしてしか動けないように見える。その先の資金化が見えない。しかし、これは最終回。一発逆転を手に入れたらしく、激しくバズった。

会社を辞めることは、自分がいなくても会社のインスタは回っているし、自分の夢の企画も、会社の論理で2年後と言われるし…で、駿やシャチの自由さと比べると、制約が多いことに気づいたから辞めたのかもしれないが…独立するということは、全て1人でやるということ。自由もあるが、その分責任は全て自分が負うことになる。その辺り真柴は分かっていなさそう。

香子の決断

自分のそばには自分がいると言ってのける香子。確かに香子はそんな感じで一貫している。しかし、元夫礼史とまたやり直すことを決めた模様。人生折り返しを過ぎたことによるもののようだ。なんとなく分かる。

キッチンカーで全国を回る

それが駿のやりたいことだと分かったと言うのだが…『この恋あたためますか』の浅羽社長といい、どいつもこいつも同じこと考えてるんだな。

勝手にいなくなる系男子

シャチはもう予告もなしに勝手にいなくなり海外に行ってしまうという最強の勝手にいなくなる系。一方の駿はシャチほどではなく、一応、キッチンカーで回ると事前に言ってから実行するし、規模も国内レベル。とはいえ、駿も、レストランオーナーの娘と付き合っていた時は、突然消息不明になっており、シャチと変わらない。駿は、多少は学習したということか。

シャチの役割、駿の役割

シャチは真柴が落ち込み本当にダメになりそうな1歩手前の時に、包み込み、落ちることを防いでくれる役割。駿は真柴が先に進む時もしくは進むべきなのにためらっているに、それを加速する力を与える役割。それぞれに役割があるので、どちらの方が良いという話ではないが、ただ、シャチの方はどうも意図的に真柴の心を乱すことを挟んでくるので胡散臭いのが問題。しかし、本当に誰かがいなければダメな時にいるのはシャチであるのも事実。

結論として…

このドラマ、結果として、シャチと駿という2人の一匹狼が、真柴を教育して、会社員から一匹狼に育て上げたところで終わったと言えるのではないだろうか。なんか変な話だけれど。

5年後

えっ…きょとん。何だろこれ。ちょっとどういうことかわからない。

駿の元カノ福本葉菜

再度駿を見つけて立ち直らせたのはこの人と葉菜の父である。突然逃げ出し消息不明となった人間を立ち直らせたのに、見返りを全く要求していないように見える。この理由を考えてみたが、確かに彼女さえも放り投げて逃げたことは許せないことだろうが、若い才能を潰してしまった負い目もレストランオーナー、およびその娘として感じているのかもしれない。それでも、駿の方にその辺りの葛藤みたいなの一切ないのは、かなり気になっている。何かあったっけ。見落としてたのかな。