つむぎ最強と分かるつむぎ回。それとともに、3つの「きょうだい」が、それぞれの関係性を進める回。
山盛ポテト
マクベスは、コーヒー以外に頼むことあるのか…と少し引っかかって思った。しかし、これは別な日の、マネージャー楠木が支払いを持ってくれたのを知って、潤平が「もっと頼めばよかった」と言うエピソードに繋がった。常にコーヒー1杯しか頼まないならば、このセリフは出てこないから。
しかし、こう言うセリフが出てくるのが、18歳で時間が止まってるということなのだろうなとも思う。それの良し悪しは別にして。
姉妹・姉弟・兄弟
『コントが始まる』に出てくる「きょうだい」は、男女の組み合わせパターンを網羅している。女女が里穂子、女男が潤平、男男が春斗。この第8話で、それぞれのきょうだい間の関係が進む。
それぞれの立ち位置が異なるので、きょうだいの関係もそれぞれ。同居しそれぞれ仕事を持つ中浜姉妹は年齢相応の関係、姉は既婚で弟も結婚を視野に入れている美濃輪姉弟は実年齢対比高めの、今現在定職に就く就かないとやっている高岩兄弟は実年齢より低めの関係に見える。
中浜姉妹の仲違い
姉がガチ過ぎて妹が引くほどの箱推し。マクベスというコントグループがベストコンディションでライブをする為ならもう何でもすると。
そもそも仲違いの理由は、マクベスにはファンの子に手を出してはならないという明確なルールがあるから、つむぎと瞬太が付き合ってはならないと言い出したからであるが、これをつむぎに言うのはやはり筋違い。瞬太に言うべきもの。このすれ違いは、つむぎが原因というより、やはり里穂子のマクベス愛が強すぎることからくるもの。結局、つむぎが引っ越すまでちゃんと話すことはできないが、つむぎの作り置きおかず、置き手紙の描写から、2人の関係は崩れきってはいないことが分かる。精神的にかなり結びついた絆。
美濃輪姉弟の絆
潤平と姉の関係は、少し違和感。当初は潤平に危機感を持たせる役割として姉夫婦が酒屋の跡を継ぐ話が出る。しかし、すぐ立ち消え、姉は今は弟が後継となることを応援している。この辺り少しご都合主義的な感じがする。姉夫婦の生活がかかっている話であり、未だ姉の夫の仕事が定まっていない中での、姉の全面的応援は少し変な感じ。姉役に木村文乃氏をキャスティングした段階で、「激しく対立する姉」は、無いと言うことなのだろうが、現実感が…。姉の夫の再就職活動がうまくいかず、やはり姉夫婦が跡を継ぎたい…となる展開があっても良さそうだが、あと2話では難しいか?しかし、木村文乃氏が、余裕がなくなったら言ってることコロコロ変わる性格の姉を演じるの観たいとも思う。次回は潤平回なので、揉め事があるならここ。姉と弟に絆を感じるが、生活のためにいつ豹変してもおかしくない絆。
高岩兄弟の絆
兄は、春斗への連絡なしに住居付きの仕事に就く。連絡はなかったが、ひきこもりから脱することができたのは弟春斗のおかげだと兄は認識している。そして、これは偶々だろうが、解散して住むところに困るであろう弟を思い、家の部屋を空ける兄。大人になれていない感じだが、程よい間合いの絆。
コレクターグッズ
第8話は、マクベスのコレクターグッズ絡みの話も出てきた。里穂子は、初単独ライブのチラシをクリアシートに入れた状態でもらっている。保管用も含めてちゃんと2枚。ただ、里穂子は、感激のあまりなのかエセファンだからか、クリアファイルから2枚とも出して持ってしまっている。それでも軽い折れ目ができるし、そもそも指紋がつくぞ。そのままなら指紋は、マネージャーのものしかついてないだろうに。里穂子詰めが甘い。それでも、過去のチラシを欲しがったり相応の厚かましさがあるのもファンっぽい。ただ、昔なら2枚もしくは3枚で良いが、今だと、将来のネットオークション用ということで、スペース取らなければいくらでも欲しいという考えもあるのではないかなぁ。潤平の彼女というか、マクベスの名付け親である奈津美と写真撮ったり思い出作りに余念がないと言った感じ。ただ、コレクターとしては、興味がないはずのつぐみの方が最強で、マクベスのマネージャーの名刺を貰ったり、マクベスのマネージャーと面接する等、ファンでもマニアでもないのに中々分かった行動をしている。目的は、自分の就職活動のためなのだが、姉里穂子にとってはもはや超レアグッズ。このレアさは、ファンでなくても分かる。
マクベスのマネージャー楠木
今回は、楠木にスポットライトが当たっているように見えるが、今まで説明されていないマクベス周辺の現在と過去のことを説明するだけの役割なのかもしれない。
瞬太がただの恋人に見える理由
潤平の彼女奈津美は、コント芸人の彼女ということを踏まえた付き合いをしていることが描写されてきたが、つむぎと瞬太はナチュラルに付き合っているように見える。まだ付き合い始めたばかりだからなのかもしれないが、そう見えるのは、つむぎのマネージャー気質がなせる業なのかもしれない。しかし、誰と付き合っても、あのように付き合えると考えると、瞬太がそれに気づいた時、どうなるのだろう。瞬太は、つむぎの前では、芸人のオーラは全くなくて、ただの恋人だった。瞬太は飄々としているようで繊細なので、つむぎのことを深く知っていくと、実は簡単に折れてしまうかもしれない。
つむぎ回
今回は、全てのエピソードがつむぎにつながっていた…というのは、大袈裟だけれど、画面に映っていなくともつむぎの影がチラチラする回だった。
次回予告
なぜか、次回予告は、ほぼ飲食店のシーン。里穂子がつむぎの就職祝いを買おうとしているシーン以外、飲食店のシーン。これは、第8話のコントがファミレステーマで、その流れでの次回予告だから、ファミレス繋がりで飲食シーン多めにしているのかな。考え過ぎか?よく考えればこのドラマそもそも飲食シーン多いし。
最終的に、春斗のみがコントを続けることになって、つむぎがマネージャーになったとしたら、新たに色々起きそうで見てみたい。
コント『ファミレス』が面白くない件
これまでの中で一番と言う感じで面白くない。これは仕方がないと言うか、このコントを観た業界関係者が途中で席を立つようなコントだから。設定通りと言える。オチはあるのだが、必然性が無いというか、無いなら無いでもっと不思議方向に振るとかしないので、何やってるのか分からないまま進行して終わってる感じ。
ただし、ネタは仕込んではあるようで、分かったのは、
あの信号を渡れば こちらに到着しますよ
は、信号の色繋がりで、
赤いシールは冷蔵庫、青いシールは冷凍庫
のことを指し、
ファミリーレスキュー、それは家族を幸せにする食事
は、つむぎからの作り置きのおかずのことを指すの?ちょっと分かりづらいが、里穂子は泣きながら肉じゃがを食べ、心の中でつむぎに謝り、美味しいよと言っている。これ、『ファミレス』のオチで妻に謝り、手料理を食べたいと言えという瞬太のセリフに微妙ながらつながっている。
神聖なブランコの近くで練習
マクベス3人の時は、やはり乗らないんだよね。あのブランコは、彼女・彼氏の乗るブランコだから。そのうち春斗と里穂子が一緒に乗るだろうと思っていたが、もう乗ることはないのかも。そういうのが人生な気もする。
演劇要素
現実はそんなことやらないよ、ということが観察できたが、これは恐らくテレビという特性と制約からくるものだろう。第8話では、次の2つを見つけた。
1つ目。序盤の里穂子とつむぎの言い争いシーン。結局つむぎは寝室に逃げ込むのだが、その際、引き戸をほんの気持ちだけ引く。しかしこれでは全く閉じたことにならない。これをまともに戸を引くと、余計に時間を要するから、記号的に20センチほど?引くことで断絶を表現しているのだろう。
2つ目。最期の感動シーン、保存容器の肉じゃがを直箸で食べる里穂子。それはない。ちゃんと取り箸で小皿に取ったから食べないと。そのためのつむぎの冷凍、冷蔵の指示だよ!まあ、しかし、映像の画的には、小皿取分けより、つむぎの用意してくれたままの方が良いのは分かる。