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【ナイト・ドクター】第5話 絶対助けると医師が安易に言う世界線


犯罪的な両親から子供を守るために犯罪を犯すことも厭わないと言う偽母。しかも、その偽母の意気を汲んでオペをすると言う成瀬。そしてその雰囲気に飲まれて成瀬と行動を共にするナイト・ドクターの面々。さすがに立ち止まって一度法的整理が必要ではないか?それをするのが本郷の役目なのに…どちらかと言うとけしかけてる。

やはりプライバシーがないナイトドクターの世界

「あっ、ゴキブリ」と言って注意を逸らせて、成瀬が手に持つ封筒の記載を見る主人公とか、とんでもないドラマだ。美月は結局、成瀬から「人のプライベートにそこまで首突っ込んで楽しいか?」と聞かれる始末。それに対し「私は先輩が間違ったことをしたとは思いません。訴訟のことだって向こうが変な言いがかりつけてきているだけじゃないですか。だから、その…元気出してください」と返す。プライベートに首を突っ込んだことに悪びれていない。こんな風に返して何も思わない美月。

美月が恋人と別れた話も、皆が共有。深澤の妹の病気について妹の恋人に勝手に話す。桜庭の病気の話も、高岡の恋人の二股も共有される。

本当にこのドラマにはプライバシーという概念がないということだけは分かる。今回晒された成瀬以外は、プライバシー概念がないと言える。成瀬は、これまでナイトドクターの中で積極的にコミュニケーションを取ろうとする側ではなかったから、プライバシーを積極的に侵害する側にならなかっただけで、根っこの考え方はわからない。

それにしても、成瀬が隠そうとしたものを、不意をついてまでも知ろうとする美月の性根には、怖いものがある。これがドラマの主人公であるということも怖い。

逆ギレする美月

成瀬の態度、特に美月に対する態度があそこまでストイック気味になったのは、プライバシーを侵した美月にも原因があると考えもせずにイラついているように見える。このよう人が主人公であることが気になる。

絶対助ける…はない

成瀬の言うことは当たり前だ。医療に絶対はないのだから。それが深澤には分からない。これ、ドラマの中の役割とはいえ、深澤は相変わらずその場の感情だけで動いている。そして、成瀬にもそれを口にした過去がある。100%完璧な医療はないというテーマを扱う回のつかみとしては良いが、若い時の成瀬も深澤も、患者対応の教育を受けていないということか。このドラマの世界では、患者に絶対助けると言ってはならないことを、現場教育で体験しながら学ぶものらしい。おかしな世界。

要らんことを言う日勤の嘉島センター長

"インフォームドコンセント"とか"風評被害"とか、微妙な鮮度の言葉を使って責めてくるな。これ、意図的な言葉選びなら、嘉島が少し時代についてこれていない感が出ていて面白い…結局、嘉島はインフォームドコンセントと風評被害の言葉で本郷に逆襲される。そして、本郷の本気が成瀬を動かす。嘉島を使ったこの辺りの流れは見事。

子供が助かるなら犯罪者にもなりますと言う偽母

言っていただけでなくて、夜が明けたら本当に逮捕されてしまった。まあ、そうか。ただし、実の親が蒸発していると言う点は、情状酌量されるのだろうな。

結局、この子供の話はあっさり終わるようだが、この子は、無保険診療になるのだろうか。今後、かなり過酷な人生を歩むことになることが想像される。その際、実は一番子供のことを思っている偽母の存在が大きいのだが、逮捕されたという過去が残るため、うまく行くか否かは分からない。このままではモヤモヤが残るので、これで終わりではなく、話をもっと膨らませてほしい。

謝ったから訴訟取り下げ

成瀬の訴訟相手に謝罪に行った話。どっちに転ぶか分からない行動。自分の人生第一に考えたら、謝ることはどう見てもリスキーと考えるのが正しい。謝ったのなら自分が悪いと認めたのだろうとなるだろうから。というより、成瀬の元々勤務していた病院は、保険に入っていなかったということかな。入っていたとしたら、訴訟中なのに勝手に謝罪に行った成瀬の行動は厄介な話になると思うが。これは結果オーライすぎる。子供の家が、金銭的には困っていなさそうな家庭であるような点が大きいように思える。

ドクターカー出動!

うーん、月9『ナイト・ドクター』が日曜劇場『TOKYO MER~走る緊急救命室~』に喧嘩売り始めたぞ!しかしこちらは、TOKYO MERと違って、死者ゼロどころか、既に何名か救えなかったりしているし、ドクターカーで向かった医師が二次災害に巻き込まれるぽい。日曜劇場がスーパーマンを描くのに対し、あくまで群像劇を描く月9。リアルさの点ではどっちもどっちかもしれないが、救えない命の扱いは異なる。救命救急という似た題材を扱うどころか、ドクターカーにまで手を出した月9の気合いを次回、視聴者は目の当たりにすることになるのか?