生命の危機における決断を求められる場面に成瀬以外のナイトドクターそれぞれが置かれる。これまでのように、誰かに頼ることはできず、1人で判断し、実行に移さねばならない。成瀬も気楽なわけではなく、各メンバーからの照会や質問に的確に回答、指示をしなければならない。緊張が強いられる状況だということが分かるし、ドラマの演出もそれを強調してくるので、ハラハラが止まらない。
ナイトドクターチーム解散決定後それぞれが対面する患者
朝倉は鉄道車両センター(電車の下敷き)、深澤はゴミ処理センター(プレス機に挟まれる)、高岡はビル(作業員転落)。ナイトドクター6名の内、3名がそれぞれの現場に駆り出される。そんな中、本郷は指揮を成瀬に任せる。つまり病院に運び込まれてくる患者は基本桜庭が診ることになる。ドラマ上、各人の試練が同時に来た。
誰かの生命を使った試練がある仕事
救命救急医であるので、乗り越えなければならない試練に患者の命を救うために犠牲にしなければならない選択があることは違和感ない。しかしそれが成瀬以外のナイトドクター全員に襲いかかるの最終回だからにしても観ていて胸が潰れそうになる。しかし皆、強くなり過ぎ。ドラマ開始時では考えられない強さ。
声かけ、手握り…患者の涙
救急車内で朝倉が患者の手を握ると何も話せない患者が涙を流す。これだけだが…救出前、朝倉は患者が助かるか否か確かめるために手を握り、救出後は、救急車内で今度は助かったことを伝えるために手を握っていて綺麗な対比になっている。
ナイトドクターは特別ではないし、どこにでも必要なもの
夜の屋上で皆が語り合うシーンでの結論。世の中に必要であるし、やりがいのある仕事だと認識し合うことで、仲間意識の強化もできた。いつのまにか良いチームになってる感に溢れている。でもすぐ解散するけどというオチがあって、そこからのどんでん返しという大オチに繋がるの良い。
解散にあたっての深澤の特大フラグ
ナイトドクターチームメンバーが各地の柏桜会グループの病院でナイトドクターを根付かせる活動をすると言うことを聞いた際、深澤は、
そんな無理ですよ、俺一人じゃ…
なんて言ってるものだから、一人だけあさひ海浜病院に残留になってしまう。まあ、高校生の妹のこともあるから急な転勤は無理なはずでこれは本郷の温情というべき。ただ、ナイトドクターメンバーからは恰好の会話のターゲットになるけれど。
新人救命士星崎
くだり搬送を取り入れるため、周囲の病院と連携を図り受け入れ先を的確に見つけるスキル、医師にできるわけのないスキルを持つ、その道のプロ。院内救命士。これに星崎を引き抜く。
大抜擢だ!こんなオチが星崎に待っていたなんて!意外なキーパーソン。初登場時は、朝倉の新しい恋人候補じゃないかと思った自分の甘さが嬉しい。そのおかげで今、驚くことができる!
美月が満月を見上げる
夜空に月が昇る それは私たちにとって戦いの合図だった でも今はどんな夜空も つながっていることを伝えてくれる 同じ時代の同じ夜空の下 明けない夜はないと胸を張って言えるその日まで 私たちは受け入れる
ラストシーンでナイトドクターの面々が、それぞれの持ち場で満月を見上げる。それで皆が繋がっていることを再確認するという古典的な終わり方。ただ、そのために主人公の名前を美月にしていたのだろうかとはプチ仕掛けになってる。
また、同じ最終話にて、このシーンの前に全員で屋上に上がって語り合うシーンがあった。同じように夜なのに月は出ていない。この時にも月を描いた上で、別々になっても月を見上げて繋がりを感じるとしても良いはずだが、この演出ではそうならなかった。その辺り月に何らかの象徴的意味があるのだろう。