シリアスな話とコメディの混濁。今回は、最終章に向け、桜についての話を進める必要があるためストーリーにいつものようなキレがないように感じる…が、これは計算された構成、クライマックスで大きくジャンプするためにかがんでいる動作…のはず。レストランの1件や拳銃を持つ犯人との対峙、トイレはちゃんと行っとけと透ける服装の話。これらは単発ではあまりインパクトはないが、全てが藤の川合への愛情が込められたエピソードであり、ぼやっとした中に、一貫したものが感じられる。キレはなくともまとまりのある回。桜の話を淡々と進めるのは、コメディドラマでありながらクライマックスのためにシリアスな話を入れる良い手法に見える。コメディにシリアスは要らない派だが、ここまで薄めれば問題ないように見える。あまり大した犯人ではなさそうなので身の丈感あって良さそう。
守護天使のおとりなのか守護天使から守るのか
考えようだと思う。藤は、守護天使を捕まえるための囮として川合を使おうとしているというより、守護天使から川合を守ろうとしているとも言える。守護天使が町山交番の新人女性警官を無差別に狙っていたのであれば、次は川合が危ない。故に藤は守ろうとしたと言うこともできる。もちろん犯人を捕まえたいと言う意思もあるのだろうが、同じ犯罪を繰り返さないと言う気持ちもあると思われる。モデルガンを持った犯人の一件で、少なくとも後者の考えもあることがエピソードで分かる。その上での藤の自白…。その意味で、藤の自白は要らなかった気がする。
山田と源と川合
デート、デート、保険勧誘。いびつな3組だが、全てがぶち壊される。まあ、川合はぶち壊されてラッキーだった?山田と源はともかく、川合はよりによって何でこの店を選んだのかというあり得ないシチュエーションが良い。あ、店を選んだのは相手の方か…。しかも、デート、デート、保険勧誘と三段オチの形式を守ってて、男と男と女とコントラストもある。レストランのシーンは、コメディとしてかなり古典的な意味で作り込んだシーンに見える。作り込んだと言うより、思いつくまま勢いで展開させていったのかもしれない。
大丈夫です。藤さんには私がついてますから
桜のことで自分がおとりにされていたこと、それを藤が隠していたことについて気にしていない風にしている川合を見て無理してないかと源に聞かれて答えたこのセリフ。源は川合のことを心配しているのだが、川合は「藤さんには私がついてますから」と、逆に藤を気にかけるような答えをしている。この意味するものは深い。