大きな敵と戦う。刑事ドラマで典型的な最終回の筋書きだけれど、やはり一味違う印象。軽さと重厚さが両立していた。
打ち解けていそうでいない弁護士と刑事
弁護士の羽屋田空見子。名前が微妙。打ち解けて良いのかと直感的に感じる玉垣。北海道旭川市生まれ。国交副大臣宮越の選挙地盤も北海道。玉垣の直感もバカにできない。菱本の依頼を受けるという電話を真壁にする際には、羽屋田の事務所の机上に、既に菱本の事件資料ファイルがある点が少し引っかかるようになっている。最終回なのにこういうの入れてくるの凄いな。なお、中盤で真壁に羽屋田の怪しさは看破される。ただ、初期の段階から、羽屋田と宮越がグルではなく逆に羽屋田が宮越に恨みを持っている可能性も含ませているのが良い。
空気が悪いな
何故か警察署内に留置場の中が見える場所があって、真壁がそこから見ていると、菱本が連れられて現れ声に出した言葉がこれ。この時点では何を言っているのか分からない。しかし、これは自分を取り巻く環境の悪さを言っていた。つまり羽屋田は信用できない人間だと言っている。それにしても不用心な留置場。
話に食い違いが起こらないケース
こういう小技が良い。口裏合わせしていた時だけ、証言が完全一致するというの、まあ、実際こんなにうまくいかないんじゃないかと思うけど、プチトリック的で良い。実際は、当事者が口裏合わせても記憶違いや忘れたり、脳内変換したりして、ズレは生じるため、あれほどキレイには行かないように思うけれど。
梯子を外す
事情聴取をすることで、秘書という梯子を外して宮越を孤立させることを狙ったが、秘書に捜査の梯子を外される。しかし、最後、亡くなった元秘書の息子に梯子をかけてもらって宮越は降りてくることができた。こういうやりとりなのよ、見たいのは。
山上も折れた
やはり山上はキントリの良いメンバーになれるよね。最終回だから打ち解けた後、ほんの少ししか出てこなかったけど。しかし、なべやまも期待だけれど、もつなべはキントリの名物だからなぁ、これはもつなべロスになる。
ラスト
キントリ解散のシーンは、なんとも短く不思議なラストだった。それなのに、尻切れトンボ感はなく、納得感と充実感はしっかりあった。これがシリーズ化された安定というものか。
キントリは解散しました
キントリは解散したが、シリーズが終わったとは言ってないから。そういうこと。次シリーズは、小石川と菱本が退職した後の話になるのかな?そもそもだけれど、キントリ解散は、宮越の息のかかった北斗刑事部長が強引に進めていた話なのだが…次シーズンが始まる時の、キントリ再開の理由は、北斗の進退と関係するのだろうか。
キントリは解散したけれど、北斗刑事部長は?
結局、この人は、記者会見で思わず暴言を口走っただけで、致命的な事実は表に出ていない。延命するの?ただ、刑事部長のポストは『キントリ』では変わるポジションだからなぁ。個人的にはとぼけた感じでイライラさせる北斗刑事部長は『キントリ』の刑事部長として好み。
うまく風見鶏して、宮越の次の国交大臣に取り入るとか、シナリオはできそうだから、北斗刑事部長には是非そのポジションを維持して、これまで通りキントリが力を発揮できる仕事を厳選して提供してほしい。