Golden Time

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【日本沈没-希望のひと-】第7話 清濁併せ持つ人の必要性


第7話前半のジェンキンス教授のエピソードと、後半の日米交渉のエピソードは、全く違う方向のスピード感がある。緩急をつけるや、一本調査というのとは違う、スピードを保ったまま方向を変える形で次々と話が進み、緊迫感を持続したまま終わる。

田所博士と世良元教授

データを分析できるのは自分しかいないという自負から田所博士は逮捕されても大きく出ているが、世良元教授が復活して田所博士はしばらく放置されることに。その後、疑いが晴れ釈放されるが、それまでの間、ずっとぶつぶつと、ここから出せ出せ言い続けていたのだろう。何か微笑ましい。エンタメドラマなのでもう少しそういう描写あっても良かった。先週田所博士逮捕で日本はどうなるの?となってたのに、あっさり、釈放されてるの視聴率稼ぎパターンで嬉しくはないが慣れてる。

世良元教授

職を追われたので、元教授。しかし天海も東山総理も「世良教授」と呼ぶ。元はつけないし、代わりに田所に対してするように「世良博士」と呼ぶこともない。こういうの「らしい」感じがする。

企業の海外移転

里城副総理が関わってきて面倒なことになっているが、日本からの移民の手土産として企業が扱われるのは確かに経営者としては屈辱的ではあろう。しかしそうしないと1億人を超える日本の人々は救えないというジレンマ。総理大臣としては苦渋の決断。

長沼官房長官

あらら…。しかも東京地検に捕まるとは…日本沈没の情報も検察にまで広まっているのか?漏洩してしまうのではないか?官房長官が検察の取り調べとなれば、報道が必要であろうし。この辺りちゃんとした説明が要りそうだが。

自由民主主義の国

日本は自由民主主義の国ですよね?沈みゆく国に見切りをつけ、ひと足先に海外に逃げる。そういう自由があってもいいんじゃないですか!

と、長沼官房長官は言うが、うーん、それは自由ではあるが民主的ではないな。

里城副総理

これまで日本沈没論を信じず、過度の正常バイアスにより、結果的に沈没対策の妨害ばかりしていた里城副総理だが、遂に日本は沈没すると理解する。そのときの表情は、まさしく里城沈没状態。ただし、最初の移転先交渉をどこにするかで、またも東山総理と対立する。沈むのも早ければ復活も早い。

田所博士が不在の間のデータ

世良教授がわざわざ研究室にやってきて田所博士に渡したデータは、プリントアウトしたもの。このドラマの時代設定はいつなのだろう。現代ではなく原作発表当時のものなのだろうか。印刷されたものもらってもデータ分析できないから、ネット経由で渡すべきである。それをわざわざ印刷して往訪までして手渡すとは。

大企業の方々の行動

ジェンキンス教授の見解次第で掌を返したように対応を変える企業トップ。それは違うと思う。どこに行かされるか分からないのであれば、自分の家族だけはと、国内資産を整理して直ちに国外脱出するのではないか。少なくとも日本沈没の情報を知った者の半数はそう考えて行動するように思う。

なんというか、日本沈没情報が外国からバラされるまで漏れなかったことに逆に驚く。人の命がかかっているのだから、漏れると思うのだが。

結局、東山総理と里城副総理は対立するが、今度は東山の分が悪い

生島自動車の移転先をアメリカにするか中国にするかで2人は再度対立する。判断軸を移民受け入れ数としておきながら、東山総理がゴールポストを動かしたため、今度は、里城副総理が「約束が違う」と正論を言う。しかしそうこうしているうちにアメリカに先手を取られる。それに対して中国からはやり返される。そして日本は窮地に。外国との交渉の議論を国内だけでやっていたら、外国に好きなようにやられたと。里城ではなく東山の言動で日本沈没の情報が全世界に知れ渡ることとなったの皮肉。一本調子の東山では太刀打ちできない場面であり、ここは清濁併せ持つ里城が主導すべきであった。こういうのちゃんと描くの良い。しかし、アメリカと中国の両方と同時に交渉しようと言い出したのは天海であり、そんなこと言わなければ、この事態にはならなかった。