『ちむどんどん 』では、登場人物の名前に意味があるのではとふと思ったので、雑ではあるが、思いつくところを挙げていく。
比嘉家
暢子
「暢」の字には、伸び伸びしたという意味があるので、それを願ってつけられた名前なのだろう。東京に来ても性格は変わることなく、ちゃんと実践されているように思う。それが視聴者や矢作にとってどう受け取られるかはともかく。
賢秀
賢く秀でる。この名前に込めた願いは見事に打ち砕かれた。良子、暢子、歌子という他の兄弟対比、気合が入った名前に見えるのは気のせいか、第一子だからか、それとも長男だからか?
良子
良い子になるようにということだろうが、何というか学園ものでありがちな主人公の敵役になるツンとした"良い子"が大人になったみたいなキャラ。優等生を拗らせた感じ。
歌子
それまでの露骨に分かる子に対し期待する願いから、変化している。歌とは。歌を歌うと言うことは何か心の中に突き動かされる感情があるということ。情緒豊かにという願いなのかな。
優子
名付けられた際の願いは優れた子もしくは優しい子になってほしいと言う願いだったのだろう。しかし、自分の子ども優先でそれ以外は踏み台にして構わないというような考えで行動しているように見える。つまり「優」は、「優しい」や「優れた」ではなく、「優先」の「優」だったと。
兄妹の名前に対する期待
賢く秀でる・良い・伸び伸び・歌
並べてみると分かるが、左から右へ行くにつれて、優秀さを願う気持ちから、心豊かにという気持ちにシフトしている。
賢く秀でた子になってほしい。良い子になってほしい。伸び伸びした子に育ってほしい。情緒豊かな子になってほしい…前2者は、名前に囚われてしまっている感じ。後2者は、その通りに生きてはいるが、それがために生きづらさを感じている感じ。
友人達
和彦
人との和を大切にする願いが込められた名前。この名前通りの人生を歩むならば、愛との結婚まっしぐらで、がんじがらめになった今の状況に、なんとなく違和感を覚えても受け入れるかと思いきや、名前に反して、人との関係に亀裂を生みそうな気配。
智
頭の良さを願う気持ちか。沖縄時にバイトのハンバーガーショップで新メニューを提案し成功させたりその片鱗を見せている。
「智」の字は、渋沢栄一の「智情意」の1つ。確かに智は、知恵があり、感情豊かで、意志が強い。名前を体現している…が、相手に対する情が一方通行というか配慮がない。これがほんと残念で、これだけで主人公の恋の相手として外れても仕方ないかとなってしまう。
愛
和彦の"恋人"だから"愛"という感じか。ただし、仏教に「和顔愛語」という言葉があり、「和」と「愛」が入っている。和やかな表情と愛情ある言葉で他者に接しなさいという意味。これこそ、暢子が引っ掻き回す前の愛と和彦の関係だったではないか。しかし、暢子と賢秀が和彦に"刺激ある人生"の存在を大城教えてしまった。