後鳥羽上皇登場と頼家の政治の開始。これが今回のメイン。後鳥羽上皇のシーンはほんの少しだが、存在感十分。頼家の方も、父超えを宣言したその場で比企と北条の争いが始まった。しかし頼家がそれを制し、強い自己主張を見せる。比企と北条の争いをけしかけながら、梶原景時が裏で頼家と通じるとか素敵な展開。頼朝という大きなタガが外れ、頼家という着火剤が燃え始めたものだから、皆、自分の土俵で、自分のルールで異種格闘技を始めた感じ。
リフティング上手な後鳥羽上皇
何か勝手に色んなこと想定して、いや、妄想してるの楽しそう。既にこのシーンだけで自信家で、天狗になっていることが分かってしまうの良い。
リフティング上手な頼家
二代鎌倉殿の頼家も後鳥羽上皇同様蹴鞠好き。リフティング講習会まで開いている。これ、後鳥羽上皇に合わせようとしたのかな。とにかく、今回急にリフティングが脚光浴びて面白い。この流行は続くのかな?
新世代のリーダーは蹴鞠が必須なのか?蹴鞠の暗示するもの。
なぜ後鳥羽上皇と頼家の2人に蹴鞠を熱心にさせたのだろうか。2人の蹴鞠は、複数人で蹴るのではなく、自分一人で蹴り続ける描写しかない。これ、自分の力で生き残らないといけない、一度でもミスして落としたら政治の場から退場という2人のプレッシャーを意味しているように見える。
また義朝のドクロが出てきた、鎌倉殿の証として…という折り紙付きのモノとして扱われる凶気
みんな偽物と分かっていて、上に立つものの証とか言ってる。素性のわからぬドクロが三種の神器的なものになってる。
欲望を表に出す実衣
夫を鎌倉殿にする欲がどうしても隠せなくなってきたか。全成の方はやる気ないままなのに。あーあ、全成、可哀想だな。
琵琶を始める実衣
全成の尻を叩いて鎌倉殿にさせようとする実衣が、琵琶を始めたいと思った理由が、単に素晴らしい音色だったから譲り受けたというのだが、このエピソード、全成に絡めて広がっていくのだろう。
文覚さん
頼家が文覚を見捨てるという、文覚にとって想定外のことが起きてしまう。頼家が手にした、鎌倉殿の証であるドクロが誰の手で頼朝のところに来たのか由来も知らないのか、知っていてやったのか。鎌倉殿の証のドクロが頼家の手に渡ったその回に、文覚が京都で捕らえられ頼家に見捨てられたのは、妙な対比になっている。
頼朝はドクロで御家人の心を1つにしたが、頼家はその同じドクロで御家人の心の結束を解いてしまった。もったいない。頼朝は、なんとかして坂東の武者を自分の側に付けようかと苦心したが、頼家の方は、坂東の武者は自分の側にいて当然だと考えている。自分は御家人の何人かを見捨てても、御家人は自分に忠誠を誓うのは当然と思っている。そういう描写を、ドクロと文覚を絡ませて易々と入れてくるの綺麗すぎるストーリー展開。
御家人を見捨てる頼家
土御門通親暗殺計画絡みで、捕らえられた御家人に対し、普段は反目する比企能員と北条時政が、共に救うべきと意見が一致し、比企能員が「珍しく意見が合ったな」と言うほどであったのに、頼家の判断は「不逞な御家人どもを処罰せよ」だった。これに比企能員と北条時政はマジかと言う感じで顔を上げる。この感情は、二人だけでなく、その場にいた全員に即座に共有されたもののはず。頼家と梶原景時を除く全員に。比企能員と北条時政が珍しく意見が合ったというのは、坂東武士にとって、余程のことだと言うこと。これが頼家には分からなかった。まあ、ある程度地位固めをした後の頼朝でも同じ判断をするかもしれないが、今の頼家とは立場が違う。
争いごとの裁定をすべきなのに…やる気のない頼家
あーあ、調子に乗って、御家人達を蔑ろにしているよ。というか、能力対比事務量がオーバフローしているか。明らかにやる気のない態度なのあかん。訴訟は、当人にとっては死活問題なのだから、飽き飽きした態度は絶対ダメ。
頼朝は、いつ殺されるかも分からない少年期を過ごしてきたからだろうが、対人時の態度は本心は別にして、相手を大切に思っている風に接するのうまかった。一方、頼家は生まれながらに、周りの御家人が細心の注意を払って接してきたため、気配りされるのが当然みたいになっていた。この育ちの違いは、鎌倉殿としての言動にも影響を与えることになるのだろう。
少数精鋭チーム、調整過程で人数が増える法則
元々五人衆だった。比企がゴリ押して六人衆、時政がねじ込んで7人衆。せっかくバランスが取れたのに、比企がさらに積み上げを始めてなんやかやと12人にしちゃう。そんな中、もう一人足せと言う政子。義時をゴリ押し。結局、鎌倉殿の13人の構成は、北条5、比企3、景時1、文官4。比企は、文官を取り込もうとしているというが、何故北条と張り合わなかったのだろうか。最初は比企から仕掛けた数取りだったのだから、途中経過と結果がちょっと合わない気がするのだが…。
13人で補佐すると伝える役目は景時ではなく義時
なんで?取りまとめ等全ては梶原景時の仕事ではないのか?人数が増えすぎて「こういうことではないのだ!」と景時が怒り、この役目を義時に押しつけたのだろう。元々五人衆は、文官4人に頼家との連絡役の景時を加えた組織として考えたのは義時。それに景時が同意したのに、出来上がった結果が、北条と比企のパワーゲームの場になっている。御家人が入らず文官が審議するから、たとえ形式的だとしても公平という面目が立つのであって、御家人が全体の過半数になっては、そもそも意図した組織ではなくなっている。
「つまらぬ内輪もめに使われては困る」と景時に言われて、義時が「これ以上増やすことは断じてさせませぬ」と答えているが、5人衆で無くなった段階で「つまらぬ内輪もめに使われた」状態は確定しているので、「これ以上増やさない」は大した意味をなさない。
比企能員の接待の場には出るが苦々しい顔の大江広元
立場の難しさが出ている。他の文官が接待をエンジョイしている中、広元のみ苦々しい顔をしている。しかし一番どうすれば良いのか困惑顔なのは、接待役の女で、眉をハの字にして最大限困った演技している。ここが見どころ。
狡猾さはあるが青くバランス感覚に欠ける頼家
若者クラブ結成してしまった。そのこと自体は悪くないと思うが、梶原景時や有力御家人を敵に回してしまった。義時は微妙な顔してる。政治におけるバランスが悪いのは、そこが火種になるということ。
始めの頃に戻った義時
義時の呆れ顔というか、二代目鎌倉殿頼家の言いたい放題と御家人の思惑を調整して右往左往する様は、初代鎌倉殿頼朝と付き合い始めた時と状況が似ている。しかし頼朝の時は時政の協力もあってうまくいったが、今回は時政の協力もなく、比企も力を持ってきており、調整の難度は上がっている。そもそも義時自身の地位も上がっている。頼家との相対的関係も、頼朝とは違う。
政子
頼家はまだまだ若い。嫌なことがあるとすぐに逃げ出してしまいます。叔父としてそばにいてあげてほしいのです。
と政子は言って、12人衆にさらに追加で義時も加われと言う。まあ、これは北条としては正しい。しかしもう一人の叔父にあたる時房は、若者クラス側に入っていたぞ!北条の頼家包囲網完璧。
頼朝に貢献した者を見捨てる
京都絡みで問題とされた御家人や文覚といった頼朝に貢献した者を頼家が易々と見捨てたことは、鎌倉にいる御家人たちには、"そういう人"だと映っただろう。頼朝と違い、坂東の武者使いになる前に…