Golden Time

時はお金で買えませんが、時間はお金で買えちゃいます。

【ちむどんどん 】第74回 優子の側の戦後の話


善三と優子の昔話は続くが、前回は賢三メイン、今回は優子メインの話だった。次回は金曜日、沖縄戦に絡む賢三と優子のエピソードは、明日、まとめになるのかな。これまでの週一ミッションと流れが異なる。

コーンビーフ1人1缶

これ、何日分というか、どういう経緯で手に入れたものなのだろう。終戦直後ということで考えると、かなり食生活に余裕がある感じがする。「corned beef」としか描かれていない米軍の配給品のような缶だった。知識がないが、街から離れたやんばるの地で、このような物資を手に入れられたのはどういう経緯だったのか気になる。戦地となった沖縄だからこそ、米軍が特別気にかけたのか、それとも賢三がかなり無理をしたからかな…知識がなくて分からない。

家族の分まで幸せになってくれ

やんばるに移ってきょうだいのように暮らし始めたが、これを言われたから賢三と家族になりたいと優子は思ったのか。確かにこれは運命だし、元々一人で闇市の店を切り盛りしていた大城との約束を反故にしても仕方がないと思わせるに十分。ただ、このセリフ、賢三と優子が再開してからどれくらい経っての話だったのだろう。ドラマの流れからは再会してすぐのように見えるのだが、きょうだいのように暮らし始めたと話した後なので、時間が経過していたのかもしれない。

気苦労が絶えず、今も色々ありそうだが、賢三の「家族の分まで幸せになってくれ」という言葉を、優子は達成できたと言えるのかな。

優子の弟、秀夫

賢秀は、非常に名前負けする名前だと思っていたが、夫賢三の「賢」と弟秀夫の「秀」から取っていたのか。あと、優子と秀夫で「優秀」となるので、それが優子の父母の子への願いということか。優子の姉の時恵の意味はちょっと分からないが、幸せになってほしいという願いが込められていそうな字である。「時」という文字は、若くして亡くなったことから、時間には恵まれなかったということになるのだが。

遺骨収集活動

1年に1日で良いから手伝おうと優子と賢三は思ったのか。優子と田良島が沖縄戦で親族を失ったという点で共通していた。だから田良島は、昔、記事に書いたのか。それに比べると、和彦が沖縄の遺骨収集の追及をライフワークと呼ぶのは浅い感じは否めない。父親は早く亡くしてはいるが、戦死ではないし、父親の性格が戦争で歪んでいたわけでもなさそうで、むしろまともすぎるほどまともな描き方をされていた。母は逆に全く描かれておらず不気味ではあるが。これから父親の暗黒面が描かれる可能性は無くもないが。

戦争の記憶が風化していく描写

ただ、これが時代の流れ、記憶の風化ということなのかもしれない。戦争の記憶が、優子という実体験者から、よく分からないまま兄を失った田良島、伝聞しかないが関心のある和彦へと変化している。そして、優子の子供でありながら、和彦より戦争に関する関心の低い賢秀たち4兄妹。今週の『ちむどんどん 』が、戦争の記憶の時の流れ、世代の移り変わりに伴う風化を描いているとしたら、これは、かなり簡潔にハッキリ描いていると言え、やはり先週までより明らかに本気度が高いと思える。

遺骨収集活動を援助する人たち

この遺骨収集活動に、大城オーナーは陰ながら援助、善一は寄付をしてきたという。援助と寄付は恐らく同じ行為を言い換えただけだろう。逆に、ここに賢吉の名前が出てこないことはどのような意味があるのだろうかとも思う。賢吉も寄付をしているが、優子は敢えて賢吉の名前を出さなかった可能性もある。優子が賢吉のことを身内と思っていないようなフシは結構あったから、自分とは考え方が違うことにより優子は賢吉を嫌っている可能性はある。逆にそう考えると、お金を借りたり保証人になったりすることに躊躇いがなかったのもわかる。

賢吉はどこにいる

善一と優子の結婚話をでっち上げ?てきた賢吉は、どこにいるのか?善一と直接4兄妹は会うのに、賢吉は気配さえ見せない。なぜ?

遺骨収集の場で優子と和彦と出会ったことの奇跡

年に1、2度程度しか優子は参加しないのに、そのタイミングで和彦が訪問するの、ちょっと都合が良すぎないか?それとも、嘉手刈さんも年に1、2度しか活動しないのだろうか。なんとも相変わらずな変な感じ。ドラマで奇跡を描くことは別に構わない。しかし程度がある。どうせ4兄妹には帰宅後話すのだから、遺骨収集の場で和彦と会う必要はなかったように思うのだが。

再婚はしないと自ら切り出す優子

理由は言わないが、直後に、ようやくお父ちゃんとの約束が果たせたと言う。これまで語られた賢三とのエピソードも含め、未だ賢三への思いが強く、再婚は考えられないということか。

ふと思い出すと泣いてしまう

優子が泣いている姿は、暢子が幼少期に一度見ている。その際は賢三が何も言わずに寄り添っていた。そして今、優子は4兄妹の前で泣いてしまう。優子は、自分にとっては戦争はいつまで経っても終わっていないと言う。昔と違い賢三はいないが、今度は4兄妹が寄り添う。綺麗なまとまり。

幸せになることを諦めないでちょうだい

これが、これまで無茶な借金や賢秀の尻拭いを繰り返し行っても平気だった理由なのだろう。まあ、命を取られるわけではなくて、お金で解決できることなら何も問題なしという価値観と考えることはできる。ただし、これまでの優子の言動から、自分の子供に限定して、他人に迷惑をかけてでも幸せになることに貪欲になれと言っているように取れる点が怖いところ。

また、これは戦後の混乱時に賢三に言われた「家族の分まで幸せになってくれ」と地続きになっている。

賢三を亡くしたことも悔いて謝る優子

そこなのか。弟を手の中で亡くした記憶が賢秀の甘やかしに繋がり、賢三を死なせたことが優子の中での身内が良ければ問題なしという感覚を育んだのか。

うちたちは絶対に幸せになる

暢子だけでなく歌子も、良子もそう言う。賢秀だけ、グレイトにハッピーと、幸せだけでなく偉大さを余分に付けてきた。それで、優子はありがとうと言う。

ただし、賢三の「家族の分まで幸せになってくれ」も、優子の「幸せになることを諦めないでちょうだい」も理解できるのだが、子供たちの「うちたちは絶対に幸せになる」は、うまく言えないが、何か違う感じがする。幸せか否かは主観的なことだが、「幸せになってくれ」も、「諦めないで」も、願いなので、実際になるならないは、発言者はコントロールできないが、「幸せになる」は、主観という点では、客観的にどんなに不幸に見えても、本人が幸せと言ったら幸せである。この辺りが何かモヤモヤする。

海辺のお墓参り

賢三が健在だった頃、幼い暢子たちと海辺の墓の前で歌い踊っていた。今回はそんなシーンが無いが、あれはウークイでは無かったのかな。

蛍のような燃えかす

演出的には美しいが、家の近くでやっていて、現実問題として、火事のリスクが気になって素直に観られない。

比嘉家にとって良いウークイになったね。

物語の連続性

①少女時代、②上京時代、③ウークイの帰省時と分けた場合、②を切り取って①③だけにしても物語が完全に辻褄が合うのどういうことなのだろう。④は上京時代後編にでもなるのかな。2つの別な3ヶ月ドラマをそれぞれ二分して組み合わせたような感じ。何とも変わったドラマ。

ビーサン

比嘉家が庭に出ていた際に履いていたビーチサンダルの色。

暢子・賢秀:青

良子:赤

歌子:黄

優子:緑

賢秀は、中の人が獣電戦隊キョウリュウジャー恐竜レッドなのだが、青。この色は何を意味しているのだろうか。

優良可

等級を表す方法の1つに優良可という表記がある。これ、比嘉家の女性の名前において、優子、良子、歌子と後に生まれるにつれ等級が下がる形で表されている。ここで、主人公暢子のみ等級に関わる文字は名前に含まれない。なお、秀は、優より上位であるので、賢秀は優子より上になる。これ、そのまま比嘉家の地位を表すのだろうなぁ。歌子が体が丈夫ではないのは「可」の属性だからと言えてしまうの悲しすぎる。「歌」の文字は、「可」が二つあるので、「可」のみでなく「不可」の属性まで合わせ待たされているのかもしれない。優子の弟の名前は秀夫で、賢秀と同じ「秀」の文字を持つ。つまり、優子の「優」より上の階層。だから優子は賢秀の行動は全肯定でお金も調達するが、最下層の「可・不可」の階層の歌子の病気の原因追及のための検査は後回しになっていたと考えられてしまう。比嘉家の子供の命名は誰が行ったのか分からないが、少なくとも制作側は残酷。さて、暢子は何故属性を表す文字を持たないのだろう。

和彦の比嘉家合流

これ、次回金曜日にあるのかな?懐かしいとか言うのかな。シナリオ的には和彦は偶然沖縄に来たことになるので、何かわざとらしさを感じてしまうが。どうせそこまでやるとしたら、智も帰省していたことにして、戦ってほしい。

智、今週ウークイなのに出てないからね。二ツ橋さえ出ているのに。