Golden Time

時はお金で買えませんが、時間はお金で買えちゃいます。

【ちむどんどん 】第80話 世の中、何もかもチョロすぎる


暢子のことを拒絶していた重子も、良子を嫁と認めてこなかった石川本家も、一瞬で方向転換して来た感じ。いや、ありえん。『ちむどんどん 』の世界はチョロいな。

良子、石川家との戦いに臨み準備する(予習なし、ぶっつけ本番)

良子は全く料理はダメか…別に御三味料理などできなくても良いが、てんぷらーを作ろうとして、爆発起こしていたところを見ると、普通の料理も全くダメなのではないか?だから比嘉家に逃げるの分かるが、逃げたから益々できないままという悪循環になってるのか。アパートで3人で暮らしていた時は、何を食べていたのだろう?あまりに良子の料理の腕をダメに描きたいがために、リアルさが欠けていないか?1〜2年料理を続けていたら、味覚障害等なければ、ある程度できるようになりそうなのだが。

それにしても、ぶっつけ本番、予習なしって…小学校の教師なんだよね?普段から日々の積み重ねということを教えていないのかな?

暢子のアドバイス

良子は困ったらすぐ暢子に電話で相談。相変わらず長距離電話するね。料理の作り方を聞くなどと言うのは、非常に時間がかかりそう。金額を気にしない緊急時ということか。料理本以上のノウハウが得られるのかな。

御三味料理の作り方を聞くと即答で、

ネーネーには無理さ

と返してくるところは、さすがに暢子は料理人らしいな。

唯一のアドバイスである、衣に酢を入れるか、酢の代わりにマヨネーズを入れるを伝えるが、これで上手くいけば苦労しない。なぜなら良子はてんぷらーを作ろうとして爆発を起こしている人だから。マヨネーズを入れたとて爆発は防げない。

そもそも、良子は、なぜ急に石川本家に詫びる気になったのだ?これまで頑なに博夫に任せていたのに。この辺り説得力ある説明あったっけ?

天の声、一発

え?博夫の祖母の登場で一発逆転?なら何でこれまでもめてたの?これはついていけない。起きても大丈夫かと言われているが、寝ていたとはいえ、これまでのことに全く気づかなかったとしたら、どんなに大きな家なのだ?

そうでなければ、博夫が自分の主張をするのを待っていたということかもしれないが、祖父、叔父との関係がどんどん悪化していくのを静観していたことになり、何というか胆力ある。

なんとも、ずっと引っ張った結末がコレなのはどうなの?それまで博夫のみに対応させておいて、なぜか気まぐれでやる気出してアパート戻ってから石川本家に来たら、あっさりおばあを味方につけて解決。物語の展開には手順が必要なのに、すっ飛ばすので、相変わらず視聴者は置いてきぼり。新しいと言えば新しいけど、幼稚と言えば幼稚。推理ドラマじゃないから、最後の最後に、こういうトリックで一挙解決!と言われてもピンとこないのです。

何というか、良子と石川本家の抗争が、天の声で解決するの、ヤクザ映画的手打ちで、寅さんに次ぐオマージュなのか?かなりオリジナルからズレてる感覚なんだけど。

ウルトラマンとおばあ

強大な敵に対し、なすすべがなくやられている時に、ウルトラマンが最後に現れて一挙解決…で良いのは、ウルトラマンは来ることを視聴者が分かっているから。しかし『ちむどんどん 』の石川本家のおばあは、何ら前触れなく解決シーンで初登場という乱暴ぶり。これはドラマとして無い。これを許すと何でもアリになってしまう。重子問題にしても、重子の義母を出してきて「重子さんも、暢子さんと一緒だったじゃないの」と言わせれば終わるし。

おばあをウルトラマン的に使うのであれば、おばあが博夫と話すシーンを複数回入れておくとか、『ちむどんどん 』得意の電話をおばあが良子にするとか描写があれば、ああ、あの時おばあが味方する気になったのだな、とか想像で補えるのでまだマシだった。

おばあも脅しを使って勝利

力の差があるから敵を倒すことができるという点ではウルトラマンと一緒。ウルトラマンは、単純に怪獣より強いから勝っているだけである。おばあも、一方的におばあの論理を語ってはいるが、それについて祖父らと議論するつもりはなく、家事を人質にとって脅すことで祖父たちをねじ伏せている。結局、おばあがやっているのは、"こっちの主張を受け入れないなら家事を自分たちでしろ"という脅迫。祖父らのやっていた"こっちの主張を受け入れないなら嫁として認めない"と同じ。拒否したら相手が受け入れられない結果になるけど、拒否するの?という論法を、これまで何も言ってこなかったどころか姿を見せなかった登場人物が持ち出すのが何ともということ。

良子はなぜ急に石川本家に寄せていったのか?

良子は、なぜ急に石川本家に寄っていく気になったのだ?第71回では「このまま別々に暮らす方がお互いにとって幸せかなって、うちはもう諦めかけてる」って言ってるからね。その間を埋める説明あったっけ?

マヨネーズ味のてんぷらー

衣をサクサクにするための隠し味的なものが表に出て、味を主張して来たか。これ、義父が美味しいねと言っているが、本意なのかディスりたいのを我慢しているのか微妙。

良子の"てんぷらー"を義父はマヨネーズ味の"てんぷら"と言っているところが味わい深い。"てんぷらー"ではないが美味しい料理というの言葉選んでる感ある

うちは、料理もやります

良子はやる気満々のようだが…いや、比嘉家でやってなかったから、これからもというのはおかしくないか?そもそも、博夫のアパートで3人のままなのか、石川本家に戻るのかどうするのだろう。石川本家の祖母たちは料理は任せろと言っていたが、本家に入るのだろうか。しかし那覇だよね。距離的にやんばるでの今の仕事は続けられるのだろうか?

「母さん。この前は、ついカッとなって言い過ぎました。ごめんなさい」

和彦は、やっと重子に対し謝る言葉が出て来たか…但しこれ、信じて良いのか?と言う気になってしまうのが、『ちむどんどん』の良いところ。しかし、それで全て解決に向かいそうなのがあかん。和彦が謝って来たら、重子はもうこれまでのこと全てを水に流すのか?話が通じない暢子との結婚を認める方向に進んでいくのか?チョロすぎる。

「はい!すいません!やっぱりもう一度働かせてください」

養豚場の清恵に対し、安っぽく謝る賢秀。和彦とはごめんなさいの価値が違う。

「やっぱり」とか言っちゃうか?自分の意思で働くも辞めるも自由という感覚。

賢秀は、お金絡みで危ないことを繰り返しているが、身の危険が迫るということは一度もなかったということか。相手を見ることと、ターゲットを分散し1人当たりの金額が少額というのが、これまで上手く来た理由かな。いつかとんでもない目に合うぞ。

体よく賢秀を追い払うことに成功した暢子

前回、暢子はすっからかんの賢秀に、2千円を渡している。それが賢秀を甘やかすことになると思ったが、それだけではなかった。そのお金で、賢秀は養豚場に舞い戻ることができた。これは大きい。そのお金がなければ、鶴見に居座って、いずれまた暢子に害を及ぼすのは目に見えている。しかし、暢子が金を渡したために、養豚場に辿り着けたので、とりあえずの食住を賢秀は、確保してしまった。暢子は厄介払いに成功。賢秀のあしらい方を熟知している暢子怖い。

矢作再登場!

なんだ?そんな登場の仕方なのか?ことごとく信じられない方向で攻めてくるな。これが次週のミッションか…全く違う方向の話が急に出てくるの、やはり週刊マンガ的で、疲れるな。

矢作が攻略ゲームの中ボスでさえなくて、中ボスの露払い役にしか見えないのかわいそう。聖帝十字軍の汚物消毒係なんだよなぁ。

本当に一週間で重子ミッションをクリアして来た

この制作の本気はただ者ではない。なぜ重子との確執が、解決した感じになるのか。前回までとはまるで違う。いや、前回のお手伝いさんとの会話と今回の和彦の手紙がきっかけということなのだろうが、重子が問題視していたのは、和彦の気持ちではなかったはず。重子の主張は、全く異なる環境で育った者同士では、一緒に暮らすのは難しいということだった。そこには全くこだわらずに、メデタシメデタシとするのは、現実には折れると言う意味であるのだろうけれど、ドラマとしてどうなのという気がする

美味しいかどうかは問題ではない

暢子が作った御三味、良子が作った御三味。どちらも美味しいかどうかは問題ではない。暢子の御三味は重子が食べたことに意味があり、良子の御三味は良子が作って石川家に持って来たことに意味がある。そう考えると、今回の2つの御三味は、対比的になっている。

暢子の御三味

・料理のプロが作っており美味しい

・作っても重子に食べてもらえる保証なし

・婚約者として認めてもらうためのもの

良子の御三味

・今回初めて挑戦したもので味は怪しい

・作ってこいと言われて作ったもので必ず食べてもらえる

・働くことを認めてもらうためのもの

それにしても、何で御三味が美味しいと願いが叶うのだろう。重子はまだ許可したわけではないが、第一関門は突破したっぽいし、何だか分からない。

前回(第79回)の「和彦は渡さない」とは何だったのか

この重子のセリフ。まだ有効だよね?今回でもう効果消滅ということはないよね?変なフラグ立てたのか、しっかりしたフラグなのか読めない。

それにしても、重子は単なる感情論では話さない母だったようにみえたのだが、前回のラストで「和彦は渡さない…」と言ってから、キャラ変するのは、今日が金曜だからなのだろうか?キャラの言動の動機を感情、特に嫉妬に寄せてしまうと悪役にしやすいのだが、本質的な議論ではなく、あの手この手のトリッキーなテクで認めさせようとしているとしか思えない暢子と和彦を見ると、それでもやはり重子の側で視聴したいと思ってしまう不思議なドラマ。こんなのなかなかない。

基本的に母と話すと喧嘩別れする和彦が手紙を書いた

手紙を書いたのは良かったが、これ、前回暢子が提案したが否定したもの。そのシーンを見て、愛のこともそう考えたのかと思ったが、そうではなく、改心したのか。ただ、その改心の動機が、愛の手紙を思い出ししんみりしたからなのか、これは使えるなという悪魔の気持ちなのかは、分からない。言葉を操ることが仕事の和彦だから、良心に目覚めたと素直に思えないの楽しい。

暢子の日参

結局、これの意味はあったのだろうか。重子が暢子の御三味に箸をつけたのは、和彦の手紙があったからで、毎日の弁当はマイナス要因にしかなっていないのではないかな。和彦の手紙があって御三味がなかった場合と、結果は違うのかな?個人的には変わらないと思う。

愛との別れを克服した和彦?

今週は、愛のことを思い出したのは、重子だけだったのではないか?愛はもう過去の思い出の中の人なんだなぁ…暢子と結婚しようと活発に動いている和彦だけど、愛と別れてもう6年くらい経ったのかな?