Golden Time

時はお金で買えませんが、時間はお金で買えちゃいます。

【共演NG】描かれないもの描かれるもの


このドラマには、意図して描かれないもの(ネット社会)と意図して描かれるもの(三世代同居)がある。それらは意図しているため、不自然であるはずが、話の展開と演習のうまさで、隠されてしまっている。しかしこの意図は、必然的に、このドラマのターゲット層を浮き彫りにする。

意図して描かれないネット世界

もうこれは、嫌味というかなんというか。芸能マスコミ全盛の時代を描いているのか、芸能人のネット炎上が、一切起きない。芸能人の騒動は、テレビと雑誌のみ。これ、ドラマ中は、芸能レポーターが殺到したりして大騒動になっているが、それ見ても、牧歌的な気しかしない。芸能レポーターから逃げれば、叩かれないという感じで、第3話の若手俳優2人の不倫愛の時も、主人公英二がおとりになって、不倫の2人を難なくテレビ局入りさせていたりする。しかし、違うでしょ、描かないといけないのは。このネットが、完全に無視されていることの不自然さ…あ、ネットメディア描くことがひょっとして、テレビ的にNGとか?テレビ業界とネットメディアの共演NGかぁ。

意図して描かれる「家族」

ドラマ中ドラマでは、朝食に祖父から孫までが同居する三世代同居の世界である。しかしドラマ中では、主人公とその相手となる英二と瞳、英二は妻はいるが子はいない、瞳は独身と、二世代同居でさえない。その代わり第3話では、ドラマ中ドラマの設定を、ドラマの中に持ち込んだ謝罪会見をさせることで、擬似的にではあるが、三世代家族を描く。その後、家のセットで「団欒する」擬似家族。とにかく三世代同居家族を描こうとしている。しかし、ドラマ中でさえそれを虚構としている。まあ、この辺り、祖父母世代に刺さるのかなぁ。ノスタルジーとかなんかそんな感じで。

ターゲット層に合わせた設定

まあ、インターネットは生活に必須ではない…と、三世代同居への憧れをもつ…の2つを両立させる層がこのドラマのターゲットなのだろう。つまり、かなり年齢のいった世代。そして、それが丸わかり。KIRINとSUNTORYの同業他社の同時スポンサーの話も、さらりとほのめかすのではなく、何度も繰り返すのは、まあ、そういうの喜ぶ層がいるのだろうということと、大げさにやらないと気づいてもらえないということがあるのだろう。ネットあれば、トレンドに上がったりと、本編以外で気づくきっかけがあるが、ネットやらないと、本編で全てを伝えないとわかってもらえない。‪配役も、ベテラン俳優陣は厚いが、若手の方に今をときめく…という人はいない‬。もう、完全に、テレビが最大の楽しみのお年寄りをターゲットにしている。

しかし、せめて若手俳優2人の不倫騒動のときくらいは、ネット炎上は、リアルに描いて欲しかった。

家族同居問題も飛びつかせるネタ以上の意味はない

実際の生活は、独身もしくは夫婦2人のみ。虚構の中で三世代同居。これ、上に見たターゲット層である比較的高年齢の人々の現実の姿。制作側は、露骨にそこに狙いを定めている。しかし、それでも視聴率は上がらないのだなぁ。

そもそも、ドラマの内容が、ターゲット層が好きなタイプのドラマじゃないということなのだろう。設定をターゲット層に合わせているだけで、ドラマの作りは、その層を向いていないということなのだろう。