Golden Time

時はお金で買えません

【鎌倉殿の13人】(8)俺たちは所詮、烏合の衆と言う広常の確かさ


第8話は、淡々と頼朝の対人状況判断の非凡さを描く回である。烏合の衆という難しい相手に対する頼朝のリーダーシップをこれでもかと複数のエピソードを使い、ブラックな笑いも含めて描いてくる。ストーリーでお腹いっぱいになれる回。

義経は義経で卑怯な手も使う人間

弓自慢が登場したから、那須与一との出会いかと思ったら、あっさり弓自慢の人物は殺された。那須与一は頼朝の家臣だったので、出会い方の順番が違うのか。この弓のエピソードは、弓が強いか否かを争ったはずなのに、弓の腕前関係なく、義経は相手を騙して殺してしまい争いに勝つ。公式webページの登場人物チャートには、義経は「天才軍略家」と付いているが、狩りでのウサギ一匹に対して簡単に人を殺す。これが「天才軍略家」としての最初のエピソード。いきなりのえげつなさに焦った。ただし、矢を先に向けてきたのは相手だったので、その時点で命をかけた戦いは始まっており、それを機転で切り抜けたと考えれば、義経の行動は肯定されよう。しかし、弓自慢に対して、自分が仕留めたと主張しながら、相手を倒した後に家来たちにウサギに刺さった矢は自分のものではないと笑って言っているところなども含め、このキャラは、これから頼朝や義時らと関わって行くと色々あるだろうなと感じさせるエピソードだった。義経の最初のエピソードで今後を想像させるの楽しい。

上総広常の状況判断力

降伏してきた畠山重忠の扱いを議論するに際し、

俺たちは所詮、烏合の衆だ。いちいち思いを聞いてたら、いずれ立ち行かなくなっちまうぞ。

俺たちは頼朝を信じてここにいる。そうじゃねえのか。だったらやつに決めてもらおうじゃないか。頼朝の考え聞いてこいよ。俺たちはそれに従う。それでもとやかく言うやつがいたら、俺が相手だ。

こんなカッコいいこと言っている。さすが分かっている…しかしその直後、広常は鎌倉入りの先陣から外される。

広常:何で俺が先陣じゃねえんだ

義時:佐殿が決められたことです

広常:冗談じゃねえ!やってられるか!

なんて面白いの、広常。結局、自分の言ったことをちゃんと守り、先陣の座を渡すも、酒を飲みながら悪態ついて進軍する有言実行の男、広常。このエピソードは、笑わせながらも、義時が「俺たちは所詮、烏合の衆だ。いちいち思いを聞いてたら、いずれ立ち行かなくなっちまうぞ」を身をもって体験したエピソードになる。この身をもって体験した例は、他にも、御所の場所決めにおいて義時が取り次いだ豪族の進言を却下する際や、甲斐の武田とのやりとりにも描かれる。1話の中に笑いも含めた複数のエピソードを入れて、烏合の衆の舵取りの難しさを描いている。

淡々と頼朝の対人状況判断の非凡さを描く

鎌倉における御所の場所についての議論で、頼朝は次のように言う。

わしが豪族どもの言いなりにはならんことを示すよい機会じゃ

頼朝は、敵味方の判断において、一歩先が読めるタイプなのかもしれない。降伏してきた畠山重忠の扱い、上総広常を先陣から外すこと、鎌倉の御所選定、甲斐の武田との心理戦ではその能力が生かされていた。上総広常のような人物の扱いは、危なっかしく見えるが、これまでのところ絶妙と言えるのかもしれない。しかし、広常は、ストレスを溜めてはいるようなので、人間関係において、攻める際は強いが、守りの際は弱いのかもしれない。

幼児化している後白河法皇の怖さ

嫌じゃ!

え〜い!え〜い!

あ〜ははあ〜

セリフが完全に幼児。頼朝の夢枕に立つ時とは大きく異なるキャラ。演じているのか幽閉されて変わってしまったのか。公式webページの登場人物チャートには、後白河法皇は「日本一の大天狗」と付いているし、歴史的には清盛が倒れた後も後白河法皇は大きな役割を果たすはずなので、これは演技ということになるのかな。それとも…。頼朝の夢枕に現れたり、幼児のようになったり、現時点での滑稽さに笑っていると、後で恐ろしいことになりそう。