なんとなく、カムカムは三世代のヒロインを軸に女性の教育問題、特に自ら学ぼうとする好奇心に対する世間の反応を扱う物語ではないかと思えている。稔と安子の学びの血を引くるいが何をしていくのだろうという視点でこれから見ていこうと考えています。
今週は、2度目の単一年を描く週。第8週も1962年を描いており、るいが大阪に出た年をしっかり描くということなのだが、この年が重要な年になるのだろうね。まあ、当然か。
日向の道から始まった安子が戦争を境に徐々に日陰に堕ちていく中、日陰の道からスタートのるいが日向を歩み始めることになることを期待させる、るい編序章。片桐の挙動が少々気になるが。但し安子とるいの二人は生き方の根本は同じ気がする。
episode 041 (12月27日)
るいの大阪生活。大阪は稔の学んだ地であり、算太が逃げ、安子が消え、ロバートがいた街。そこにるいは来たということの意味はあるのだろう。
るいはクリーニングの仕事が好きでした
過去のしがらみとかまっさらな自分の人生とか、ナレーションで言っているが、偶然就いた仕事にそこまで意味を持たせるのはどうかと思うのだが。ただ、仕事に意味を持たせるという考え方は、安子譲りかもしれない。
片桐来店
片桐って誰?しかしるいはもう接客に慣れていていい感じ。るいは片桐の仕事どころか性格まで想像している。一目惚れなのか。
片桐は頭の良さと正義感から、赤螺吉右衛門と勝手に推測。ただし、何か胡散臭いところもあってなんとも言えない。宇宙人と異なり、氏名が明かされており、そもそも片桐春彦は、赤螺吉右衛門と全く異なる名前である点が、片桐=吉右衛門説を否定する。まあ、戦後のどさくさの際は何でもありとしてもドラマのリアリティ上は構わないとは言えるけど。
宇宙人
イラつくとか大金を無造作にとか文句ばかりの感想。名乗らないオダギリジョー氏の役面白い。片桐にはちゃんと接客対応できたのに、宇宙人には相変わらず名前さえ聞けないのるい最高。
宇宙人は、不法入国も辞さない『ディッパーマウスブルース』の少年と勝手に推測。
そろばん
そろばんなんてもう見ないから、使っている映像を見るだけで新鮮。
鰹のたたき、野菜とちくわの煮物
もはや戦前ならまず食べられないであろうご馳走と言えるものが普通の夕飯として出されている。もはや戦後ではない。
善女のパン
これ、ルイにはどのような当てはめ片桐との関係になるのだろうが、ミス・マーサの話に当てはめた場合、どうなるのだろうか。そうなるとハッピーエンドではないのだけれど…何かトーンが違うのだよなぁ。
ステレオラジオ
登場するラジオがどんどん進化している。最初は無茶苦茶高級品だったのに。一家で2台、各部屋に置かれたり、価格も安くなっただろう。そして今度はステレオ。登場人物の周りの生活環境も進む。
こわもての田中
弁護士の卵片桐がるいと会話が弾むために場を作るだけでなく盛り上げてもくれて優しいんだな、こわもての田中様。
一見の客が来てときめく?
一人店番をしているところに良い感じの男が現れるシチュエーション。るいにとっての片桐は、安子の稔か?では宇宙人が勇か…勇かわいそう。
episode 042 (12月28日)
暗闇でしか見えぬものがある
このモモケンのセリフの通りである。黍之丞と椿三十郎を剣劇の迫力やリアルさという目に見えるものだけで比べるのは、なんというか違う。スーパー戦隊と仮面ライダーを比べる感じで娯楽の性格が違うから。
単なるチャンバラ映画のセリフなのに怖さを感じる。映像で見えるリアルを超えたリアルをさの存在を言っているような気がするから。しかしそれが何だかよく分からない。
善女のパン
おお、ちゃんと月末までやっている。しかし、古典的名作だとはいえ、あらすじ全部語ってしまって良いのか。しかも片桐の堅物かつ抜けた感想付きで。O・ヘンリー短編集読んでない人もあらすじ知っちゃったか。ネタバレか。
竹村夫妻に送り出される初デート
竹村妻の勘が鋭いのは仕方がないが、それを夫にも言ってしまうのは考えもの。一方で初デートを送り出されることを全然気にしていないるいも凄いわ。恥ずかしいから隠したいという気持ちはないのかな。るいが気にしないのは、他人であるはずの人間が家の中にいるというお手伝いさんがいる家庭で育ったと言うのが大きいのかもしれない。
何でも弁護士に繋げる片桐
仕事一筋の堅物かもしれないが、何かおかしい。なんといっても新人弁護士が、専門用語を素人にこれでもかと繰り出すの違和感。あり得ないとは思うが、詐欺師の予感しかしない。風間俊介氏が演じているから余計にねぇ。
額の傷
片桐はどこまで気にしたか分からない。平静を装ってはいたが。そんなところに宇宙人がトランペットを吹いて登場。何というかこれが安子が残したものというのが余りにもあんまりだ。とはいえ、安子にとっての稔の役割を片桐と宇宙人で分け合っているように見える。
デートの帰り道
るいが直接家に帰らなかったのは、傷を見られたショックが大きかったこともあるが、期待して送り出してくれた竹村夫妻にどう言う顔で会えば良いか分からないという気持ちがあるのではないか。
『善女のパン』を知らない片桐
これ、O・ヘンリーの中ではかなり有名な短編小説。それを、るいが少し説明した際に思いださなかったと言うのは、片桐がO・ヘンリーを読んだことがなく、単にるいに合わせただけであったと考えると納得できる。故に片桐は怪しいやつ認定できる。
カムカムでは、これまで、自分中心で動いてきた人間は多かったが、人を騙す人間はいなかった。そんな安子編の中、こわもての田中だけが詐欺的行為をしていた。片桐は、その田中とセットで出てきたことが何か怪しい。
稔と安子の出会いが偶然だったと素直に思えるのに、片桐とるいの出会いが片桐の策謀に感じるのだが何がそうさせるのか。稔を演じる松村北斗氏と片桐を演じる風間俊介氏の違いと言ったら良いか…余計分からないかもだけど分かる人には分かるような。
ステージでトランペット吹いてる宇宙人
このドラマは、本当にタイミング良くありえない人がありえないタイミングで現れる。宇宙人は次回予告では岡山の方言が分かるようだし、『ディッパーマウスブルース』でトランペット撫でていた子で確定だな。これは本当にあり得ない人が現れたわ。ある意味運命の再会な訳だ。