Golden Time

時はお金で買えませんが、時間はお金で買えちゃいます。

【カムカムエヴリバディ】第20週 1993-1994


先週からの続き。ジョーがトランペットを構えるも吹けないところから始まり、るいがアメリカに行きたいと言うところで終わるこの流れ。『カムカム』が閉幕に向かって怒涛のクロージングモードに入った。まだ放送予定時間はある。最終回までに五十嵐との再会まで行くかなぁ。

episode 093 (3月14日)

トランペットを吹けないジョー

吹けないまま自分語りを始める。ジョーとしては、ここで吹けるとは思っておらず、吹けない姿を子供達に晒すことが分かっていてトランペットを構えたということか。そんな姿を見せられて、トランペッターなんて想像もしていなかったひなたも桃太郎も冗談だと思うの仕方ない。遂に、ジョーのサインまで出てくる始末。ひなたも桃太郎も、ポスター裏のサインに気づいていなかったのか?あと、蔵があるような屋敷ではないので、トランペットが家にあることにも気づくのではないかな?

夢 失って…

ジョーの口から「夢」という言葉が出てきたのは初めてではないか?

桃太郎が生まれる頃まではトランペットを吹けない病気を治そうとしていた

これ、るいがラジオ英語会話を17年やっていたという話と同様にビックリする話。そしてそれ以降も、ちょくちょく吹くことを試していたと言う。しかし、そんなに長期間、隠すことはできないと思うのだが…。

それでも人生は続いていく

これがジョーの言いたいことだったと。トランペットが吹けなくなってからの30年、少なくとも桃太郎が生まれる頃までの前半は、思うように生きられなかったジョーの言葉。後半で段々と「それでも人生は続いていく」の域に達したのだろう。30年…長すぎる。

ただの回転焼屋のおばちゃんやなかったんや

ただの回転焼屋のおばちゃんやなかったんや…これがひなたの素直な気持ち。るいとジョーはどれだけ上手く隠したのかと思うと同時に、何故そこまで隠したのかとも思う。まあ、言うタイミングは難しいので、2人がある程度大きくなり、かつ人生の大きな節目になったこの時に言おうとしたということか。

ひなたと桃太郎は、るいのどこまでを聞いたのかな?単にジョーを救った話だけなのか?それより以前の岡山時代の話は、ジョーも知らないことが多いだろうから、そこまでは言っていないように思う。

私は信じてる

うそやんね、諦めたやなんて、私は信じてる…

るいがジョーにトランペットが吹ける日が来ると信じていると言う。しかし30年試したけれどダメだったと言わなければならないジョーの辛さ。るいに「信じてる」と言われるのは、怖かったはず。しかしジョーは自分の気持ちをちゃんと言った。一視聴者の私は、ずっと何もしないジョーを見続けたから、もう今更吹けなくてもという気になってきている。るい編のクライマックスの時とは、視聴する感情が既に違う。

トランペットが僕にさよなら言うてる。そんな気がするんや

こうまで言われてしまったので、るいは静かに泣いている。この涙はどういう意味を持つのだろう。自分のこれまでの思いも入った涙なのではないだろうか。

またクリスマスが来た!今度はサンタも来た!

算太も来た!散々待たされたが、遂に算太が来た。何故か前回はパスしていたからね。

話が飛んでしまったが…

先週金曜にジョーがトランペットを待ち出したのは、桃太郎が失恋の腹いせにCDプレイヤーを盗み、ひなたと言い合いを始めたからであった。しかし週が明けて月曜になると、CD窃盗は脇に置かれて、フィナーレに向けて、これまでの伏線に対して、何かが動き出した感じになってる。何か変だぞ。視聴者の関心は、ジョーのこれまでとこれから、および算太の登場による、『カムカム』全体の話をどう閉じていく中に変わってしまった。桃太郎の窃盗なんて吉右衛門はこだわってるが、視聴者としてはもう、どうでも良くなっている。土日間に挟むことでここまで話の重心を変えてくるかということ。

福引におけるジョーの振る舞い

子供に夢を見させることは良い。しかし、ルール違反を伴う過大な期待を持たせることはよくない。今回は、福引に来た子供に、1回しか引けないのに10回引けるかと期待を持たせ、5等なのに1等だと言う。自分の子には厳しくちゃんと育てるのに、他人の子には甘いというか、酷い対応をしている。これはジョーのダメなところ。

算太登場の前さばき

桃太郎が『あかにし』から音響機器を盗んだことを責める吉右衛門が母から、「昔、お父ちゃんは、堪忍したげたはったえ」と言われているが、これは算太の所業のこと。また、ジョーがサンタクロースの格好で商店街の福引係を行っている。サンタ的な話を出してきて満を持して算太は登場してたのね。

episode 094 (3月15日)

『たちばな』のあんこ

なんで算太は、るいの作った回転焼のあんこを『たちばな』のあんこの味がすると言い当てることができるのか?実質るいは安子のあんこ作りを小学校に上がる前に見ていただけであるし、安子も修行したわけではない。単におまじないを知っているだけ。算太は舌は確かだという描写があったのに、るいの作るあんこを前に思い出補正されたかな。それとも、お世辞を言ったか?しかし算太がお世辞を言うかな?

算太は相変わらず良さげなジャケット着ている

戦争から帰ってきた時は、雉真千吉のお下がりを着ていたから上質なのは当然として、その後も、結構いい感じの身なり。あちこち転々としていると言うが、何をやって生計を立てていたのだろうか。

ひなた、桃太郎の算太への質問

たちばなって?

勇ちゃん?

大体それどこの言葉?

お母ちゃんはいつ大阪に出てきたん?

これ、一々、るいの胸にグサグサ刺さるやつだ。ジョーが話をはぐらかしてあげるの分かる。算太が来たことで、色々なものをもたらしているが、だからと言って嬉しいプレゼントとは限らない。

おいしゅうなれからの、何で姿消したのか問い詰め

るいと算太の静かなバトル。逃げ癖のある算太はやはりここからも逃げる。そういう人。自分からるいのいる台所にやってきたのに、安子逃亡の際の経緯を聞かれて逃げる。

算太が来た理由

そもそも『回転焼 大月』にやってきたのは、算太の意志だから、理由があるはず。人生の最後に身内に会いたくなったのか、それとも過去のことを謝ろうとしたのか。とにかく何かあると逃げる算太のイメージからは、後者は考えられない。

クリスマスの夕食は完全に洋食

大月家のクリスマスの夕食。ピザ、グラタン、鳥からあげ、温野菜、ポテトフライ?、ウサギのりんご、パン。

夕食の主食もご飯ではなくパンか…と思ったら、これはパンのダンスのための布石だったか。その前に、るいとジョー2人だけのパンの朝食を見せられてたから、単なる食生活の推移かと思っていたが、こう来たか、やられた。

パンのダンス

完全にチャップリンの黄金狂時代のやつ。

五十嵐、一切出て来ず

もう完全に過去の人なのかな…

episode 095 (3月16日)

算太のプレゼント

「メリークリスマス」が算太の最後の言葉。オチとして上手いけれど上手いと言って良いのか微妙なシチュエーション。これまで奪うことしかしてこなかった算太だから最初で最後のプレゼントということかな。しかも、ひなたと一緒に『回転焼 大月』に来て逃げてからしか貯金していない。いやぁなんだこれ。

算太の遺産

紙袋に入った2通の預金通帳の他にもある気がする。算太自身の生活費用の通帳とか。転々としていたというからそれは無いのか?しかし、さすがにそれでは生きていけなかったはずだし、算太の身なりの良さから、多少のお金はあるはず。ただし、相変わらず他人のお金で生きていた可能性はないとは言えない。

ただ、病院を抜け出してきたという話から考えると、誰かに面倒を見てもらっていた可能性がある…そこで浮かぶのは、親友と言っていた二代目モモケン。葬儀も執り行ってくれたという話があるし、生活費はモモケンの世話になっていた可能性はある。スターだからそれくらいはできたであろう。

モモケンが静かに執り行った算太の葬儀

どんなだったのだろうかと気にはなる。実際はマネージャーか条映の人が手配したのだろうな。しかしここでモモケンの名前をわざわざ出してきた意味は、算太が抜け出してきた病院の入院費用もモモケンが払ってきたのではないかな。そう考えれば、最後までモモケンが算太の面倒を見たということ。

絶妙なタイミングで"里帰り"を提案するジョーの周りが見えてる感

こういうところ、ちゃんと状況を客観的に見えているというか、るいのこと、家族のことを本当に考えているのだなと思う。

雉真家訪問

うーん、何故、ひなたと桃太郎に実家が雉真繊維だということを、家の門の前に来るまで隠していたのか。明らかにびっくりさせるためとしか思えない…というより、シナリオ的に面白いからだろうなぁ。「カムカム」ではそういうこと多い。最近でも、ひなたがるいのラジオ英会話17年間聴取を知らなかったり、ジョーがトランペッターだったことを知らなかったりあったし。

雉真と言えば…

雉真繊維。雉真繊維と言えば、実業団野球…これ、桃太郎さすがというか、脚本さすが。小夜子結婚で落ち込んでいた桃太郎が、親戚が実業団野球チームを保有する会社の社長と知って、俄然イキイキしてるの良い。来てよかったね。

勇おじさんも雪衣さんも…人違い感

村上虹郎氏、岡田結実氏がメイクで来ると思っていたのだが…違ったか。これまで歳を重ねても同じ俳優で来るパターンが多かったので、てっきり。少し残念感ある。

詫びる雪衣さん

算太と同様、過去の悪印象の人たちが、懺悔して良い人に転化するパターンか。残るは安子とロバートか。となると逆に、ジョーとるいが世話になったままのトミーや竹村クリーニング店の夫妻には、当然お礼しないとね…期待!

雉真繊維は順調!

繊維不況を乗り切って、バブルに乗ったか…雉真繊維本当に強いな。バブルをどう切り抜けるかだな。

千吉は戦中は軍需産業として時流に乗り、空襲も大して受けず、運が良かった感じだったが、勇は、急遽後継になったにもかかわらず、ガチャマン時代とか良い時もあったが、繊維不況を乗り切った模様で、努力した感じ。バブルに乗じたっぽいから、既に繊維業だけでなく多角経営を始めているのだろうなぁ。これ、初期の仕事で実業団を立ち上げたりしたようにアイディアの引き出しが豊富なのだろうなと思わせる。

少なくとも、桃太郎が雉真繊維を知っているのは、実業団野球チームを持っているから。その意味で勇には先見の明があると言える。学生服業界では、高校野球とのつながりで、その知名度は有利に働いたのではないかな。

遺産問題

まあ、戦後それほど経っていない当時の話ということがあるけれど、雉真千吉が亡くなった際の遺産の話はどうなっていたのだろう。余りに昔の話で今更は時効だろうが、るいが一切請求した形跡もないし、そもそも幼かったし、色々法律上あると思うけれど、雪衣さんの態度と今の業績が順調な雉真家の状況からは、るいに然るべき財産が渡る話が出てきてもおかしくない。

雪衣の証言

算太さんと一緒にたちばなを建て直す。あの頃の安子さんは、その一心じゃった

これだけ聞くと、安子はたちばな再興だけを考えていたようにみえるが、現にその頃、英語教室に多大な力を入れていたことを、るいは覚えているはず。雪衣の発言はそれと矛盾することになる。

そもそも雪衣は上の発言の前に、次のように言っている。

ロバートさんとのこたあ、よう知らんのんじゃ。私も勇さんも

つまり、雪衣の証言は、雪衣にとっての事実であり、真実とは限らない。ここで、ロバートについて勇もよく知らないと雪衣は言っているが、これはあくまで雪衣の勇評であり、勇が本当に知らないか否かは別な話であるのがポイント。勇は、黙って安子の消息を探していた千吉の息子だからね。

雪衣は、算太にも安子にも複雑な思いを持っていたはずなので、雪衣の証言は実は余り当てにならないかもしれない。そういう複雑さが『カムカム』にはありそう。

episode 096 (3月17日)

言われたことしか答えない橘家の遺伝子

ジョーが、算太がお金を遺したことについての自身の見解を話したが、それに対し、ひなたは「すぐにそないいうてくれたら良いのに…」と言う。これ、前回第95話で桃太郎がるいの実家が実業団野球の雉真繊維と聞いて、「それはよ言うてえな」と言った際に、るいが「聞かへんさかい」と答えていたが、それと対になっている感じがしなくもない。ドラマでは第95〜96話の2回にわたっているが、ストーリー上、その間は、当日のほんの数時間の間に起きた出来事。るいは自分の言葉がブーメランになったと。

とにかく、聞かれたことしか答えないと言うのは、橘家の遺伝だと言うことはわかった。そういえば、算太と金太のいさかいの原因もその辺りだった気がする。

あのダイニング

安子編で何度も出てきた、雉真家のあのダイニングにるいがいる。そのことの重み。勇が涙ぐむはずだ。

食事中に席を立ち、話を動かすひなた

ひなた不作法だが、ちゃんと役割を果たしてナイス。岡山に戻った話は、るいの話にならざるを得ないので、ひなたと桃太郎は話を動かす役にしかなれない。その意味で、食事中に席を立ってでも話を動かしたのはナイス…脚本が。

初恋談義

勇が桃太郎に笑いながら自分の経験を踏まえてアドバイスしてるの微笑ましい。しかし、勇の報われなさは、桃太郎の比ではない。

昔暮らした部屋はそのまま

るいが暮らした部屋はそのままだった。写真を見たいというひなたに、るいは部屋の中を探しても良いと言う。これはパンドラの匣を開けることになる予感。

ただし、引き出しにあった稔の英語辞書はバッグに入れていた。これ、ポイントになるのかな。少なくともこれを持っていることが、るいであることの身分証になるか。

ディッパーマウスブルース

一度は店を閉めたが、定一の曾孫慎一に店をやろうと健一が言われ復活していたと!つまり、今訪ねようとしたから良いのであって、変に20年前に探そうとしていたら見つからなかったのかな。少々ご都合主義的だがそれも良い。しかもそれをジョーは木暮に聞いていたと。ジョーは未だ小暮と繋がりがあったということまで明かされる。これはトミーとの再会に繋がりそう。

意図的に描かれなかった過去が次から次へと明かされていく。

定一の写真の前に、真一がおはぎを供える。

おはぎ!

柳沢父子

定一(世良公則氏)、健一(前野朋哉氏)親子は50年後は健一(世良氏)、健一の孫(前野氏)と変速スライドしている。やはり勇と雪衣だけ異質。なぜなんだ?…単純に俳優のスケジュールの問題かな。ただ、ここで歳をとった勇を千吉を演じた段田安則氏が演じるのも違うと思うが。

episode 097 (3月18日)

ひなたによる家宅捜索

ひなたは、母るいの昔の写真を探すために、るいが使っていた部屋を家宅捜索する。しかし、目的を果たす前に、ラジオ英語講座の古いテキストが出てきたところから幻想世界に突入。50回忌のお盆だからといえど、ちょっと酷い展開。

昔るいが使っていた部屋から、もっと色々なものが出てくると思ったのに、ひなたはラジオ英語講座のテキストに絡め取られて時間を費やしてしまっている。確かにここでひなたが面白いものを発掘し過ぎるより、るいと一緒に宝探しした方が、視聴者としては面白そうだからね。

ひなたとるいの幻視

ひなたの目の前に、カムカムの平川先生が出てきて、玉音放送の英訳がアナウンスされて、おまけにるいの横に父稔が出てくる。

ちょっとどう解釈すれば良いか分からない。これまでの残酷なほどリアルな描写からは想像できない。なんと言っても、稔は戦場に行ってから一切画面上に現れなかったのだから。だからこそ、ここ一発の幻視が生きるのかもしれないが…やはり『カムカム』らしくない。

定一の店で初デートからの「るい」誕生

定一に面倒を見てもらい、ジャズに生きたジョーだから、特にこの流れがすっと腑に落ちる話なのだろう。口にはしなかったが、だからこそ自分はるいと巡り会えたとも思ったのではないか。

アメリカに行きたい

…と、るいはジョーに言う。

最後の最後で、そういう展開になるのか…金曜日らしいな。

『カムカム』のメイン男子の運命

稔…大恋愛の末の結婚。しかし生命を突然奪われる。

ジョー…大恋愛の末の結婚。しかし手に届きそうな夢を突然奪われる。

五十嵐…大恋愛するも結婚に至らず。かつ、夢に手をかけることも出来ず破れる。

勇…恋愛も夢も、追い続けることができず、次善の策で妥協。

さて、誰が一番幸せなのだろうか。