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【鎌倉殿の13人】(11)「許されざる嘘」が沢山出てくる回


第11話のサブタイトル「許されざる嘘」は、義経が義円を騙したことが最大の嘘だろう。また、頼朝に対してそのことを知らないととぼけたことも同じ流れの嘘になる。しかし、この第11話は、許されないか否かはともかく、嘘が沢山出てくる。

阿野全成が実衣の気を引くために、実衣の運命の人を占うと称して自分のことを指す占い結果を語るし、景時は善児に伊東祐親を殺害させながら、「自害した」と言うし、頼朝も自分が指示したわけではない、知らないと言う。八重の気持ちを義時は「あの人は私のことをとても頼りにしている」と言う。硬軟合わせて嘘ばかりついている。あ、最後のは嘘ではなく勘違いなのだが。

男女の仲なんてもんはな振られてからが勝負だ

三浦義村のこの言葉は、何を意味するのだろうか。「好きにさせてもらう」って、義村は何をするつもりなのだろう。

いきりたつ義時

失恋の痛みを仕事で紛らわそうと義時はしているということか。頼朝に「そういきりたつな」と言われてしまう。仕事が戦に関わるものだから、それはいきりたってはダメで冷静であるべきということなのだろう。但し、これまでの様子を見てみれば、義時は他の誰よりも平常時は落ち着いている。だからこそ頼朝は義時を信じているはずだから。

清盛の臨終の言葉

頼朝を殺せ。わしの墓前にあやつの首を供えるのだ…

『平家物語』の清盛の遺言を採用したのかな。『玉葉』の清盛の子孫が最後の1人となっても頼朝に徹底抗戦せよという遺言の方は採用しなかったのか?それとも、後々出てくるのか?こっちの方が、自分がいなくなったら平家が持たないことを清盛が悟っていた感じが出るので面白いのだけれど。

英雄、平清盛死す

このナレーション。なにゆえ冠に「英雄」を付けたのだろう。

清盛の死の報せに接した頼朝

親の仇が病死したということに対する無念の表情を少し見せるが、すぐ切り替え、清盛1人の打倒から、平家打倒を口にする。こういうところは頼朝の凄さ。

文武に優れた義円に嫉妬する義経

弓を射れば真ん真ん中に当てる。孫氏を語る。頼朝はそんな義円を頼りにしているようで、勢い重視の義経はそれが気に入らない。しかも、義円に「九郎の兄上を思う気持ち、どうか分かってあげてください」とまで言われては、プライドがズタズタである。このシーンでは、義円が弓を持ち、義経は何も持っていない。

その後、義円と義経は二人で話す機会があり、義経は義円を遠ざけようと策を弄する。このシーンでは、義経が弓を持ち、義援は何も持っていない。

この2つのシーンでは、弓を持つ側が結果的にマウントを取る側になっていることを表しているようだ。

義経が義円を騙した意図を見抜いて頼朝は義経に跡を継いでも良いとさえ考えていると言う。これ、一見、頼朝が義経を正そうとしているように見えるが、義経が義円を騙して自分の都合の良いようにしようとしたように、頼朝が義経を都合よく扱おうとしただけとも思える。ただ、後継に関することまで言ってしまうのは、踏み込みすぎである。言った方は撤回可能な口約束と思っているかもしれないが、言われた方は絶対に忘れない言葉になる。平家と戦う前に既に頼朝と義経の間がバチバチなのか。

戦技と戦略・戦術

「平家との大戦を前に我らは何をすべきか」という頼朝の問いに対し、義経は、「武具を磨く」と答え、義円は孫氏を引いて答える。

義経は具体的な戦いレベルしか見えておらず、義円はより広く戦略・戦術レベルで戦を見ている。ここで義円を失ったのは義経としては良い選択なのかもしれないが、源氏としては痛手となる。個人最適と全体最適ということ。

変成男子の法

なんだこれは。変成男子とは、誕生時の性別の話ではないような気がするのだが…。少なくとも、現代視点で見れば、遺伝子的に、妊娠後は性別変更は無理なのだけれど。

善児

全然、『善』ではない。しかも、景時が召し抱えると言う。ちょっと待て、景時は「わしは頑固で融通が利かない。人の間違いをいちいち正さなければ気が済まぬような男。かえって足並みを乱すことになったら申し訳ない」と言っていたはずなのだが。善児のしてきた行為は「間違い」ではないのか?と現代の感覚では思うが、戦の時代では、気の済むように人の間違いを正すには、善児の様な者を使うのが手っ取り早いと言うことなのか勝らない。景時としては、少なくとも一度、頼朝の重鎮になることを足並みを見出す可能性があると断っているので、やりたい様にやることを予め伝えたことになっている。予断を許さない。

直垂に着替えれば腰刀も手に入る。うかつであった。

この景時の言葉。