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【鎌倉殿の13人】(21)一緒に戦ったという共感


坂東武者と頼朝の考え方の違い…坂東武者には情があるが、頼朝にはない。これは終始変わらない。しかし、これがこれまでとは違う方向に表れてきた回。

坂東の武者が坂東の武者たるゆえん

平家との戦の間、ずっと共にいたもんでな。死なねばならなかったのか。もったいない実に。

土肥実平のこの述懐。坂東の武者が坂東の利益のみ考える様なことを言いながら、共に戦った義経のことを身内に近い感じで捉えている。一方で、肉親である頼朝は、弟義経を災の根と呼んでしまう。元々あったズレが、ねじれて広がっていく。

八田知家

アウトロー気味だが実は良い人間というカッコいい役だ…多分。演じている市原隼人氏はまさに同じ2022年春ドラマで同じNHKの『正直不動産』でもカッコいい役を演じている。かっこいいわぁ。

八田知家は、イケメン枠の1人義経と入れ替わりになった。イケメンは1人抜けたら1人補充されるのかな。

泰衡家人河田次郎泰衡の首を献上…

で、忠義の心がないと言われて、首を刎ねられる。奥州藤原氏を利用して義経を討った方法で、奥州藤原氏を滅ぼした藤原氏側の家人の首を刎ねる。元々義経という強者を相手にして戦うはずが、いそいそとやって来た家人の首を刎ねて目的を達する。頼朝の作戦怖い。

天が与えた罰なら甘んじて受ける

それまでは突き進むのみ

この頼朝の感覚。これが本心なのか言い訳なのか分からないところが頼朝の怖いところ。

八重の幸せが顔に出ている

政子。流石にこの発言に悪意はないとは思うが…ドラマ的にはフラグであり、この回で早速、八重の不幸として回収されてしまう。悪意なくても相手に害悪を及ぼす政子…ということ?

鶴丸と千鶴丸

似た名前の子供が八重のところに来た。八重も視聴者もこれを運命と思ったであろう。ただ、義時は微妙であるし、頼朝ときたら…
そんな中、頼朝が、政子、義時、八重の4人で話していた際、頼朝と八重が夫婦だった時の話をするので、義時が嫌味的に言う。

義時:よく覚えておいでですね。
頼朝:そういう細かいことは忘れんのだ。

この後、義時が更に攻める。

義時:鶴丸はなじんだか。
八重:いささか苦労はしてますけど。

しかし頼朝はこの会話に全く反応せず、さらに昔の話を続けようとし、政子に咎められる。しかしこれ、なぜ義時は「鶴丸はなじんだか」と言ったのだろう。流れとして、話を昔のことから今の八重の活動に戻そうとしたようには見える。ただ、千鶴丸と似た鶴丸の名前を出したことに義時の意図はあったのだろうか。これを聞いても頼朝は何も気づいていない様子だった。頼朝には千鶴丸の名前に重みはないのだろう。義時も気づいているのか否かわからない描写だった。ただ、互いに知らぬ顔をしているだけと見える。この時代を描くドラマ程度ということで、描かれたままを素直に観ることができなくなっている。

「冷えてきたな。ちょっと小便に」

三浦義村が八重から義時が奥州にいた時に何あったのかと聞かれ、逃げる時のセリフ。趣深い良い言い方。

阿弥陀仏は生ある者全てをお救いになる

運慶のこの言葉が、川で流されて岩にすがりつく鶴丸を救いに行こうとした八重の姿の後に流れる。その後、鶴丸は助かるが八重は川に流され、次のシーンでは、葵こと大姫および政子、実衣が呪文を唱えるシーンへ。この流れでありながら…というのがこの第21話。

八重不明時の頼朝のセリフ

鎌倉中の御家人を集めよ。皆で探すのだ!
決して死なせはしない。決して!
よし、わしも行こう!

これを実衣は、

何をしてもふざけてるようにしか見えない!

と評する。実衣という役がいることで、頼朝の分かりにくさが強調される。