早くも鎌倉殿の13人と頼朝との関係がズレてきた。あちこちで揉め事が起こり、あちこちで陰謀が進み、そして一人退場。そこから退場するのかという、これからを暗示するような追放劇…しかしこの退場自体は史実。なんともドラマ的だが、フィクションなら手が出しづらい順番の追放劇が史実という恐ろしさ。
訴訟沙汰の評議は、初っ端から紛糾
合議制の評議が始まり、土地の訴訟が検討されるが、時政と三浦義澄が、よく知っている、強欲な男ではないと、人格的なことで進めようとしたため、
誰それをよく知っているというだけで、そちらの肩を持つというのはいかがなものか
と比企能員が待ったをかける。これはもっともだ。しかし、能員が守ろうとした訴訟当事者の一方の妻は比嘉の出だったとか、そんな話が出てきて評議は荒れる。そして飛んできたのが、訴えの対象となっている土地の所有に関するこれまでの実態についての、八田知家の鶴の一声。さすがいつも何かしら土木工事をして現場に出ている知家らしい。
誼を重んじ便宜を図るのは政の妨げになるので以後やめていただきたい
と、梶原景時が言わなければならない事態に。能員が重ねて、
全くでござる
と言ったら、景時が重ねて、
あなたもだ!
と言われてしまう。あれ、能員は正しかったのに…と思ったが、
内情も知らずに次郎の肩を持たれた。
なるほど。しかし、能員は、待ったをかけただけで、次郎の肩を持ったわけではないと思うが。時政の進め方は妥当ではないと言っただけ。景時はちょっと言っていることがおかしい。
無駄な時でござった
と評議を打ち切り立ち去ってしまったことも含め、景時は、自分が主導権を握るためのパフォーマンスをしたとも言える。景時が立ち去った後に、時政が、
そんなに怒らねえでも…
と、それほど景時を非難する風でもなく、残された者たちも何も言わないことから、新しい鎌倉殿の信頼もある景時に対して表立って対立する意図はなさそうなので、この時までは、景時の狙い通りになっている模様。あくまでもこの時までは。
深読みし、主張する頼家
13人は補佐役。そんなものは建て前だ。補佐役なら2〜3人いれば足る話。寄ってたかって、わしをのけ者にするつもりだ!
おお、頼家、頭が良いのだが詰めが甘い。惜しい。元々は評議担当4人と取次担当1人の5人だったのよ…比企と北条の張り合いで13人になっただけなのだから。
頼時はこれを考えすぎだと言うが、頼時の考え方は正しい様で逆に、現時点では、考えが足りないとも言える。
童顔北条五郎のことをよく知らない頼家
北条五郎、お前はこの中で誰よりも若いが臆するな。存分に暴れていいぞ。
…って、ええ?五郎は義時の弟だぞ!泰時より8歳も年上なのに。集めておいて、集まった者のプロフィールを知らない。それは五郎は泰時と顔を見合わせるしかないな。そもそも五郎は義時のスパイだぞ。
実衣の行動に嫉妬心がわく全成
姉越えを目指す実衣と、謹慎中の結城朝光。なんとなく心通じ合ってきたが、それを全成が嫉妬の目で見ている。しかも見ているだけなのが良い。頼朝、範頼、義経の最期を見ているから、嫉妬はすれど、北条の娘である実衣に手を出すことはしない模様。
政治利用された?というより結城朝光は、積極的に政治利用したの?しかし自分の命がかかった危ない橋だったはずだから、最初から企んだわけではなく、ヤバくなってから三浦義村に頼ったのかな?
ゆうに手を出す頼家、何やってるのか
通りで見かけて、ほれてしまったのだ
酷いな、頼朝以上じゃないか?これは。
ゆうの夫安達景盛とその父盛長に反対されると、
わしに背くは父に背くことぞ
とか言っちゃう頼家。エスカレートするな。盛長に、
力づくで人の妻を奪ったとなれば、鎌倉殿の名に傷がつきます。
とか言われてしまう。それに対し、声裏返して、
家を焼き払われてもよいのか!
なんて言っちゃう頼家。落ちていく、落ちていく良いな。逆に、
お父上を悲しませてはなりませぬ
と、頼家は、自分から出した頼朝の名前で、盛長に逆襲される。頼朝にあれだけ尽くした盛長だからな…相手が悪い。そして、遂には安達親子の首をはねようとする。流石に景時が待ったをかけるが…そのまま進めようとすると、政子が来ちゃった。義時も怒りと盛長のこれまで鎌倉殿にも尽くしたことを以って頼家を諌めようとする。これにて頼家の戯言は終了。挙げ句の果てに、景時に当たったため、
困ったお人よ
とか言われる始末。しかし、ここで頼家の機嫌を少し損ねたのが景時の運の尽き。
せっかく頼家のために、実衣の琵琶の先生、結城朝光を見せしめに死罪とするという汚れ仕事を計画したのに…他の御家人の反発を呼んでしまう。景時、ある意味可哀想。
困った時の三浦義村
結城朝光を見せしめに頼家の求心力を高めようとした景時に対し、処分の訴状を出す作戦を提案し、実行する義村。この人、ほんと頭が良い…良すぎるが、裏で工作までしていたのか。ついにウォーミングアップを始めた義村。頑張って!
訴状の書き順
比企能員が筆頭で、時政が最後。で、最後の部分をりくが切り取ってしまう。これ、りくのやり方まずいね。結果的に、多数対少数になって、かつ目の前でやっているから、やり口がバレている。今後に影響する。
比奈の言葉
それにしても坂東武者は内輪で争うのが好きですね
比企の出で、北条の妻という微妙な立場の比奈の言葉。
大江広元
景時を不憫に思う…か。一匹狼にならざるを得なかった景時のことを分かっているからこそなのだろうな。
比企能員と北条時政コンビ
2人が組むとロクなことはないことが、ここにも出てきた。普段は反目しているのに、たまに同じ方向を向くと誰かが不幸になる。今回は景時。
策士策に溺れる
景時は頼家に謹慎を申しつけられる。しかしこれまでを見ると、謹慎はそのまま暗殺に繋がる。景時は窮地に立ったが、後鳥羽上皇に拾われる話が出てきた。しかし、そんな話があることを景時は、義時に言っちゃった。自尊心から出ちゃったのか、周りの誰も味方ではなくなった時に近づいてきてくれて嬉しかったからかもしれないが、これはダメだ。何で義時に言うのかな。あの、義時だよ?しかも、未だ義孝がいるのに涙まで見せていたから、やはり信じていたのだろうなぁ。
忠信はニ君に仕えず
…と言って、頼家は景時を流罪にする。この言葉、頼家は使ってみたかったのかな。
一幡を誘拐し人質にして都へ向かおうとする景時
企みは良い。一幡がいなくなった話を聞いて、何故か義時は、まず比企能員に会い、その後、景時に会う。時間的に辻褄合うのかな?一幡に泣かれたとか言うが、景時手際悪過ぎ。一幡を奪取したならば、早く鎌倉を出ろと。もたもたしているから、色々回った後に会いに来た義時に会ってしまう。
刀は斬り手によって名刀にも、なまくらにもなる。なまくらで終わりたくはなかった
比喩ながら、頼家をディスることを忘れない景時。いいね!
上総介広常の話が出てきた
景時は、昔の義時の言葉を持ち出す。
我らは坂東武者のために立ち上がったのだと。源氏は飾りに過ぎぬと。忘れてはおらぬな。
答えない義時。
己の道を突き進め。置き土産じゃわ
置き土産は、善児か…。
武士らしく華々しく戦で死ぬおつもり
え?義時勝手に景時の気持ちを読んじゃっているが、自分に都合良過ぎな内容じゃないか?これは酷い。はぁとかため息ついたり演技がすぎる。やってることは、景時を追いかけて殺そうとしているだけ。自分が殺そうとしている当事者なのに、なに第三者みたいなこと言ってるのか。義時は、もう完全にダークサイドにいるな。